4月1日より劇場公開される、第74回（2021年）カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した映画「英雄の証明」から、主人公ラヒムが支援を受けるためチャリティ協会の舞台に息子と登壇するシーンの本編映像が公開された。
借金のため刑務所に服役しているラヒムは、休暇中に拾った金貨を返却したことがマスコミで話題となり、「正直者の囚人」とたたえられ、借金返済に向けたチャリティ協会主催の支援会が開かれる。息子と一緒に舞台に立ったラヒムは、金貨を売る誘惑にかられたことを正直に告白。しかし売りに行った店で数々のハプニングがあり、「これは何かの啓示で、私の行いは誤りであり、金貨は返すべきなのだと」と、金貨を返すに至った思いを語る。支援者たちからは、「素晴らしい」の声とともに大きな拍手が起こる。
「英雄の証明」の監督・脚本・製作を務めるのは、ベルリンやカンヌ国際映画祭で数々の賞に輝き、「別離」と「セールスマン」で米アカデミー賞外国語映画賞を2度制したアスガー・ファルハディ。人間と社会の本質に鋭く切り込む作品を世に送り出してきたファルハディが、人間の倫理観を問う普遍的なテーマを追求するにあたって、いまや絶大となったSNSやメディアの影響力に着目。主人公の振れ幅の大きな運命を通して、真実というもののあいまいさや、社会に潜む欲望やエゴを、現代的な切り口であぶり出す。
【作品情報】
英雄の証明
2022年4月1日（金）Bunkamura ル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテにて公開
配給：シンカ
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