2020年末のスタジアム建設クラファン記者会見(鎌倉インテルのロゴは当時のもの)
一般社団法人鎌倉スポーツコミッションの代表であり、鎌倉インテルのアドバイザーも務める堀米 剛さん(写真右)。
「鎌倉みんなのスタジアム」事業を中心となって進める要的な存在。
ここでは堀米 剛さんの鎌倉インテルや、鎌倉みんなのスタジアム事業について語って頂きました!
目指すは、スポーツによるまちづくり
ひとみ編集長本日はよろしくお願いします!
堀米さんが理事を務める一般社団法人鎌倉スポーツコミッションとは、どのような仕事なんですか?
堀米さん鎌倉という地域のスポーツ文化の発展をミッションにしている社団法人です。スポーツに興味を持ってもらい、行動を変えてもらう。スポーツによるまちづくりがミッションです。
ひとみ編集長そうなんですね。
鎌倉インテルでは、どのような仕事をされているのですか?
堀米さん鎌倉インテルではアドバイザーという形で関わっていますね。まあ、鎌倉スポーツコミッションも鎌倉インテルも一心同体の組織なので、場面によって顔を変えているといった感じです。
4年前のカマコンでの鎌倉インテルオーナー四方のプレゼン
ひとみ編集長鎌倉インテルとの出会いを教えてください。
堀米さん4年前、何気なくふらっとカマコンに参加したら、たまたま鎌倉インテルのプレゼンをしている四方に出会いました。
そのプレゼンの中で彼が「湘南深沢にスタジアムを作りたい」と言っていて。そこで声かけたのがきっかけですね。偶然後から知ったのですが、実は四方とは前職が一緒で。カマコンに行かなかったら出会えなかったです。
ひとみ編集長そうなのですね!ところで、なぜ鎌倉インテルを一緒にやろうと思ったのですか?
堀米さん四方は「深沢にスタジアムを作りたい」、僕は「地元鎌倉で何かしら地域活性をしたい」ということで、「であればグラウンドを作ってみようよ」ということで意気投合しました。
偶然前職の関係で地権者ともお付き合いがあったし、役所との仕事についても色々経験があったので力になれると思いましたね
工事中、スタジアム手前のパークスペースに種を撒く堀米
ひとみ編集長運営で苦労しているところはありますか?
堀米さんやはり経験のない客商売なので苦労するところもありますね。コロナの影響ももろに受けますし。
このスタジアムには行政からの補助金や支援金などは一切入っていません。工事などの初期投資で費やしたお金をグラウンドレンタル事業であげた収益で返していかなければいけない。
大変ではあるけど、様々なバックボーンのスタッフが集まり、知恵を絞って対応しています。新規事業の醍醐味ですね。
鳩スタには、人の行動を変える力がある
鳩スタで近隣の園児と遊ぶ和田さん
ひとみ編集長鎌倉インテルをやっていて良かったことはありますか?
堀米さん色んな方から感謝されるのはもちろん嬉しいですね。また新しい動きが生まれたり。予想外の事が起こるのが面白いです。
例えば僕の高校の大先輩の和田さんは、73歳でこれまでゆっくり歩いているところしか見たことがなかった(失礼!)んです。それが、草っぱらタイムで近くの園児達と一緒に遊んでいるうちに、なんと走ったんですよ。ハイジの「クララが立った!」みたいな感じで(笑)
これはほんの一例ですが、このスタジアムには何か人の行動を変える力がある。関わる人が元気になるという派生効果がある。そんな実感があります。今後は主婦の方などが日中帯にヨガとかでスタジアムを使ってくれるとうれしいですね。
これまでスポーツをしてこなかった人、興味がなかった人が「ちょっと体を動かしてみようかな」って興味を持ってもらうきっかけになればと思っています。
環境に配慮した先進的なスタジアム
鳩スタのデッサンを描く堀米
ひとみ編集長でもヨガをするには、芝生は身体に悪くないですか?
堀米さんまず鳩スタは人工芝なので農薬や除草剤などは使っていません。また、人工芝ではよく芝生の間にゴムチップを充填するのですが、そのゴムチップが風で飛散して川や海に入り、マイクロプラスチックの原因になってしまうことがあります。
夏場には日光を吸収してゴムチップの温度が高くなり、とてもヨガなんかできない状態になっています。鳩スタではゴムチップは使わず、その代わりに砂を使っています。風で飛散しても大丈夫だし、夏場でも気温が上がりにくい。
また、芝そのものも密度を濃くすることで擦り切れづらくしています。寝っ転がると体中に芝生がついてしまう、なんてことはあまりないですよ。
せっかく鎌倉に新しいものを作るので、なるべく環境に配慮した先進的なものを作ろうと思いました。
ひとみ編集長子供達もヨガをする人達もみんな安心ですね!鳩スタはどんなところが魅力だと思いますか?
堀米さん鳩スタは深沢駅から徒歩10歩。鳩なので10「ポ」ですね(笑)。
サッカースタジアムって車を使わないと行けないような郊外にあることが多いのですが、鳩スタは公共交通機関の駅から徒歩10「ポ」。自称「日本で最も駅から近いスタジアム」です。
みんながふらっといく事ができるスタジアム。コミュニティの中心になればと思っています。
ひとみ編集長徒歩10歩!近いですね〜。
堀米さんにとっての鳩スタはどんな存在ですか?
堀米さん実は僕、学生時代は建築学科だったんです。卒業後は建築の世界から離れていたのですが、巡り巡って大規模建築に携わることになりました。まさに処女作ですね。
最初に作るのがサッカーグラウンドとは学生時代は夢にも思いませんでした。(笑)
大人が遊ぶ、1000人のコミュニティ
渋谷ヒカリエでのタウンミーティグにて
堀米さんそしてもうひとつやっていて良かったと思うことは、がむしゃらにグラウンド作りに励んでいたら、続々と仲間が集まり、気づいたら1000人を超えるコミュニティができあがっていました。
普通「まちづくり」というと既に出来上がったものがあり、そこをソフト的に拡張していくイメージだと思うんです。
鳩スタの場合は、ものを作る過程でコミュニティ、つまりバーチャルな「まち」ができあがっていた。これってまちづくりの本質な気がするんですよね。
僕らとしては単に困っていたから助けを求めて、、その結果として志が同じ仲間が集まってきた感じです。
堀米さん特に一般企業で働いている方達から見ると、いい年した大人たちが本気で遊んでいる姿が新鮮に映ったのかもしれませんね。
僕たちとしては次の世代にこんな姿を積極的に見せていきたい、子どもたちにこんな仕事の仕方もあるんだと感じてほしいですね。
誰かに作ってもらった場所に住むというよりも、まちって自分たちで作れるんだ、自分たちで理想的な空間を作れるんだというのを感じてもらい、彼らが次なる地域の担い手になってくれれば鳩スタを作った社会的意義というのも出てくると思います。
「TRY!カード」で夢を実現する
ひとみ編集長今後、鳩スタでやっていきたい事はありますか?
堀米さん「みんなのスタジアム構想」とは、みんなが一人一人ジブンゴトとしてアイデアを出し、まちを作っていく構想です。
その構想を実現するために、今後は「TRY!カード」というのを鳩スタに取り入れていきたいですね。鳩スタでやってみたいことを、何でもいいからイラストと一緒にこの「TRY!カード」に書いていく。
ヨガをしたいとか、ワーケーションをしたいでも何でもOK。そしてカードに書かれたことをなるべく実践していく。
このカードは鳩スタの現地に設置したオーナーズボードにも張り出すし、鳩スタのHPでも公表していきます。やりたいこと、できたことをインベントリーとして記録して外に発信していく。
また、それを実現するために鳩スタという場所もどんどんアップデートしていく。
堀米さんカードをアイデアのデータベースとして残しておけば、仮に鳩スタがなくなった時も次なるまちづくりの材料にもなる。
アイデアをカードにしてそれが人目に触れることで、そのアイデアを出した本人にも良い意味での責任感が生まれる。その人が主体となって自分のアイデアを実現するためにまちづくりに奔走する、そんな効果が出ると嬉しいですね。
また、このアイデアは言ってみれば「オープンデータ」として、他の場所でも自由に流用できる可能にしたいですね。そうなると鳩スタ的な空間がどんどん他の地域に展開されるかもしれない。
そんな形で「みんなのスタジアム」構想が外に広がっていく未来を描いています。
ひとみ編集長「TRY!カード」面白そうですね!本日は、ありがとうございました!### 編集後記
一人一人が街を作っていく、みんなのスタジアム構想。
大人も子供も一緒になって楽しむ1000人のコミュニティ。携わる人みんなが楽しそうなのが印象的でした。
鳩スタは、みんなの夢がひとつひとつ叶えていく場所。行動するきっかけとなり、より良いまちづくりを担っていくのだと確信しました。