【高校発・みやざきSDGs】ー43ー宮崎南(下) 若者の移住促進議論

宮崎市への移住促進のために何ができるかを活発に議論する生徒たち

 本校一年生は、総合的な探究の時間を通して、地域の課題を解決することに励んでいる。「宮崎市が住み続けられるまちになるには」をテーマに取り組んでいた班が考察を進める中で、本県の人口流出率が高い問題に行き着いた。特に若者の県外就職率が高いことを踏まえると、県外就職希望の若者の意識を変えることは非常に難しいと感じた。

 そこで、若者の県外への流れを食い止めることが難しいならば、どうすれば「県外から県内へ」人の流れを増やすことができるのかを検討することになった。具体的には、コロナ禍・移住・宮崎の三要素を総合的に考え、リモートで働くことの多い「システムエンジニア」をターゲットとした移住促進策に取り組んだ。

 まず、県外のシステムエンジニアへ移住を呼びかけるため、SNSを駆使してフリーで働くシステムエンジニアにサービスを提供する企業「LASSIC」(東京都)を見つけ出した。副班長の津江敦さんは自ら連絡を取り、作成した移住促進ポスターを同社の公式アカウントに掲載・紹介してもらうことになった。

 このことでポスターは、多くのシステムエンジニアの目に留まった。班長の小濱武拳さんは「班員や先生、企業の方と力を合わせ、満足いく提案ができた」と達成感を味わった。

 高校生の柔軟な発想と行動力で、もっと宮崎を盛り上げることができるのではないか。これからも高校生の活躍に期待したい。(教諭・長友彬華)
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