【薬剤師会】コロナ経口薬「パキロビッド パック」の配分、「組織的な対応が必要」

【2022.02.16配信】日本薬剤師会は2月16日に定例会見を開いた。その中で、新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬の「パキロビッド パック」の医療機関・薬局への配分について説明。当面、都道府県が選定した薬局での配布になることに関連して、「流通量に制限があることから組織的な対応が必要と考えている」とし、都道府県や医師会、薬剤師会が連携した取り組みとなっているとした。

コロナ対応に関しては、ワクチン接種推進担当大臣からの協力依頼に対応し、日本薬剤師会から2月9日に3回目のワクチン接種に関する積極的な周知に対して都道府県薬剤師会に通知を出すなどの取り組みも行っている。

山本信夫会長は、「3回目のワクチン接種に関しては警戒感があるなどの理由で十分に進んでいないことから薬剤師の立場から安心感を持っていただけるような協力もお願いしたいとのお話があった」と説明。日本薬剤師会ではワクチンに関するFAQをつくり周知も図っているため、こうしたことの推進をしていくことが重要との考えだ。

また、2月14日には日本薬剤師会から都道府県薬剤師会担当役員へ、「新型コロナウイルス感染症における経口抗ウイルス薬(パキロビッド パック)の医療機関および薬局への配分について」通知を出したことを説明。

パキロビッドに関しては、現状、安定的な供給が難しく、併用禁忌の薬剤が多数あることなどから、慎重な投与が必要とされている。
そのため2月27日までの間は承認直後の試験運用期間として配分される。

本剤を扱えるのは新型コロナウイルス感染症患者受け入れ確保病床を有する医療機関と、都道府県が選定した対応薬局となる。

2021年末に承認されていた「ラゲブリオ」(成分名モルヌピラビル)では、都道府県のサイトに薬局が登録するといったスキームがとられていたところもあったため、薬剤師会で取り扱い薬局の把握ができないといった指摘も出ていた。
記者から「ラゲブリオとパキロビッドで対応スキームに違いはあるか」との質問が出ると、専務理事の磯部総一郎氏は、「流通量があれば、当然、すべての薬局で、となるところだ。ただ、パキロビットに関しては流通量にかなり限界がある中で、配分に関しては組織的な対応が必要だろうというのが日本薬剤師会の考え方だ。それが今回の各種通知にも表れていると思う」と述べ、都道府県、医師会、薬剤師会との綿密な連携が必要との考えを示した。

さらに、パキロビッドでは、併用禁忌の薬剤が複数あることから、医療機関と対応薬局との情報連携はもとより、もともと患者の医薬品を調剤していた薬局との情報連携が重要になっている。そのあたりについても通知で周知徹底を図っている。

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