豆腐や卵、野菜など伊勢原市内で生産される食材を使う懐石風弁当「伊勢原 大山の恵み」を、県立伊勢原高校の2、3年生が考案した。実際はコスト面からまだ地元産食材を多くは入れられないが「将来的には地元産食材を使って生産し、伊勢原駅の駅弁にしたい」と張り切っている。
同校は2014、15年度に2年生の家庭科の授業で、地元産食材を使った弁当を考える課題を出した。集まったアイデアから、家庭科の岩本ヒロヤ教諭が(1)腐りにくい(2)彩りがきれい−の観点で豆腐のハンバーグ、豚肉の角煮、キクラゲ入りの卵焼きなどを選定。ご飯にはきゃらぶきを載せ、パッケージには、大山の麓でおにぎりをほお張る太田道灌を描いた。
メニューが採用された3年生の斎藤美月さん(18)は「どんな人でも食べやすいメニューを考えた。幅広い年齢層に食べてもらいたい」と喜ぶ。
ただ、弁当の値段は1080円に設定したため、地元産食材を使うと大幅にオーバーする。やむを得ず今回の試作では、地元産は豆腐と角煮に載せたミカンのスライスにとどめた。試作した弁当は卒業式で、卒業生に振る舞った。
岩本教諭は「農協や市と協力し、規格外野菜を安く仕入れるなどして地元産食材をできるだけ多く使いたい」とし、「今後、地域のイベントなどに出品して地元での認知度を上げ、ゆくゆくは観光客に販売したい」と意気込む。