![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232662227387095/origin_1.jpg)
元WWEスーパースターのカイリ・セイン(現カイリ)独占インタビュー第2弾。
第1弾では、湘南江の島にジムオープンやWWEの思い出、プレッシャーとの戦いなどを語ってもらったが、本編では紫雷イオの存在、WWEでの苦労やアスカとのカブキ・ウォリアーズについて迫った。
第1弾:WWEの思い出、PARA-FIT24湘南ジムオープン、プレッシャーとの戦い
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232670537400381/origin_1.jpg)
©2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
①紫雷イオの存在
――NXTでチャンピオンになってからというのはどうだったんでしょうか。
カイリ:チャンピオンになったとき、(紫雷)イオさんがNXTにきてくださったのが自分の中で大きかったですね。
――心の支えになりました?
カイリ:イオさんの存在は本当に。私がアメリカに来たとき時はアスカさんも、(中邑)真輔さんも戸澤(陽)さんもすでにNXTではなかったので、イオさんが来てくださって、色々なプロレスの深い会話ができるようになりました。それがすごく大きかったです。
――しかも日本語で。
カイリ:スターダムでも苦楽をともにしたので。
――3人娘ですね。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232679508607573/origin_1.jpg)
©2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
カイリ:何でも一緒に乗り越えてきたイオさんだったので。
――イオ選手が行ってから、心の支えになったりして非常に大きかったんですね。
カイリ:大きかったですね。
――イオ選手自身もカイリさんがいることによって心の支えになったのではないでしょうか?
カイリ:そう言ってくださっていました。
――元の団体でも同じだし、タッグとしてもいい形でした。
カイリ:チャンピオンになったあとにイオさんが来てくれたので、プレッシャーが半減されて、ありのまま楽しもうと思いました。
②突然のWWEへの異動宣告
――イオさんが行ってから、結構早いタイミングでカイリさんがWWEの方に行ったから一緒にいる期間が短かったですね。
カイリ:突然言われました。前日に言われるんですよ。コーチからも何もなく、突然メールで「明日スマックダウンの会場まで来てくれ」と言われます。なのでNXTのバスには乗らず、そのままイオさんとハグして。二人とも泣きました。
――その瞬間別れちゃうんですね。
カイリ:その時はすごく寂しかったです。
――それは寂しいですね。お別れが急に来てすぐに気持ち切り替えてWWEに行く段取りをしなければならないのは大変だと思います。
⇒次ページ(NXTの集団行動からWWEの個人行動へ 、突然の試合、マイク指示)
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232692122828872/origin_1.jpg)
③NXTの集団行動からWWEの個人行動へ
カイリ:NXTは集団行動でファミリーの様で食事やホテルも一緒で家族のように過ごすんですけど、WWEのRAW,SmackDownは真逆で、全部一人でホテル、レンタカーの予約は自分でしなければなりません。次の会場も自分で地図で調べて自分で運転して移動します。到着するのが夜の3時や、飛行機も夜の4時に到着ということもあります。遅れたら罰金になります。
――あれだけすごい団体なのに個人に委ねられていて、その流れが辛くて離脱する人も多いと聞きます。
カイリ:私も一人で運転しているときに何度もトラブルがありました。
――見知らぬ土地で初めて走る道ですよね。
カイリ:高速で真夜中に移動中タイヤがパンクして。タイヤ交換できずに徐行運転してガソリンスタンドで空気入れてを繰り返しながら、レンタカー屋さんまで戻り、開くまで寝て待って朝になってパンクした車を変えてもらったり。
――WWEのスーパースターは大変ですね。
カイリ:他の選手も玉突き事故に巻き込まれたり、鹿とぶつかったりしています。カナダの試合ではブリザードに遭遇して、雪山を越えなければ会場に行けなかったのですが、(中邑)真輔さんから“危ないからいま出たほうが良いと“言われて一人で泣きそうになりながら運転しました。ただ、対戦相手の女の子たちはがブリザードで立ち往生して来れなかったので、結局試合が中止になってしまいました。
――大変ですね。
カイリ:ネタが尽きません。(笑)
④突然の試合、マイク指示
――試合もハードで試合も今日出るか、急に決まりますよね。
カイリ:大変だったのは対戦カードに自分の名前が無かったので、食事も終えて自分の出番は無いと思っていたのですが、15分前とかに突然、カード変更したからカイリ行ってくれと。試合が始まるまで15分前ですよ。男子で私服のパンツで出ていった選手もいます。(笑)常に気を張っていないと何があるかわかりません。
――その時はコスチュームに着替えていたんですか?
カイリ:着替えていました。突然の変更に備えてみんな、いつもコスチュームに着替えてメイクもしています。
――相当鍛えられましたね。
カイリ:マイクも突然渡されることもあります。アスカさんの試合中にセコンドにいたら、スタッフさんから“1分喋って”と言われ、ポンっとマイクを渡されたことがありました。試合中にですよ。“盛り上げろカイリ!“って。(笑)とりあえず、英語と日本語をまぜながら喋りまくってなんとか盛り上げました。
――もうノリで乗り切るしかないですね?
カイリ:勢いは大事ですね。日本語だとアドリブは得意な方ですが、英語では…
――そんな裏側が合ったんですね。
カイリ:試合以外でも常に緊張感がありました。
――タフになりましたね。
カイリ:おかげでタフになりました。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232700540813809/origin_1.jpg)
©2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
⑤アスカとのカブキ・ウォリアーズ
――そのときの心の支えとして、アスカ選手とのカブキウォリアーズもあったのではないでしょうか。最初アスカ選手とタッグを組んでと言われたときはいかがでしたか?
カイリ:心の底から嬉しかったです。
――アスカ選手も当時のコメントではカイリ選手と組んで楽しかったと言っていました。
カイリ:最高に楽しかったです。最初はとっても緊張しましたし、大先輩で憧れの方でしたので。
――連勝記録を打ち立てた、女子のトップ選手ですからね。
カイリ:すごく緊張したんですけれど、とても優しくて気さくな方で、“分からんことあったら何でも聞いてや!“と笑顔でおっしゃってくださったのを覚えています。
――お二人のタッグは息があっていましたね。
カイリ:そうですね。本当に。
――カイリさんも活き活きしていました。途中から二人のノリがすごく良くなっていってるなと感じていました。
カイリ:インタビューのときなんかは周りのスタッフさん達もゲラゲラ笑ってくれていました。
――アメリカのファンにすごく受けたと思います。
![](https://nordot-res.cloudinary.com/c_limit,w_800,f_auto,q_auto:eco/ch/images/1119232708923278096/origin_1.jpg)
©2022 WWE, Inc. All Rights Reserved.
カイリ:ヒールだったので、もっとブーイングされるかと思っていましたが、応援の声が多かったので驚きました。
――新しいスタイルというか新境地を切り開いたということが受け入れられた様に思います。
カイリ:私達も楽しくやっていて、バックステージでもよく笑っていました。先程にあげたようなトラブルがあっても、二人でいると笑い話になりました。
――ごきげんな二人に見えました。タッグもオリエンタルムードも醸し出していましたし、アメリカのWWEにはないタッグチームができて非常に魅力的に見えました。
カイリ:これまでいろいろな方とタッグを組んできましたが、相手のスタイルに合わせるのが好きなんですよ。どういうふうなタッグチームでいたらお互いに気持ち良くプレイできて、キャラが引き立つかをよく考えます。そこでカブキ・ウォーリアーズとして統一感を持たせるために、海賊から和風にイメージを変更したいとポール・ヘイマンに相談しました。
――これで新たな魅力が出てきたと思います。自然とファンの気持ちをうまく捉える感じや、気迫のこもったファイトスタイルが応援したくなるようなファイターであると思いました。
カイリ:ありがとうございます。日本でもアメリカでも試合をしているときに気になるのは、ファンの方が楽しんでくれたかなというのが試合の後に一番に出てきます。試合中もファンの方が楽しんでいるかを考えてましたし、セコンドのときもファンの方に絡んでいったりしています。
<第1弾>WWEの思い出、PARA-FIT24湘南ジムオープン、プレッシャーとの戦い
<第3弾>WWE日本人選手との交流、海外でのエピソード、今後の目標
<インタビュアー>
プロレスTODAY総監督 山口義徳