【新型コロナ】さいたま市の10代男性死亡例、10以上の医療機関から搬送断られる

 新型コロナウイルスに感染したさいたま市内在住の基礎疾患のない10代男性が死亡していたことが16日に明らかになったが、その際、体調急変時に10以上の医療機関から満床を理由に搬送を断られていたことが分かった。市では好ましくない事例としており、医療機関に迅速な対応を要請するとしている。

感染情報登録、保健所の感染把握も遅れる

 さいたま市が17日明らかにしたところによると、市内に住む基礎疾患のない10代後半の男性は、今月2日に発熱の症状を自覚し、3日に医療機関で抗原検査を受け新型コロナウイルス陽性と判明した。

 その後、この男性は自宅療養していたが高熱が出て7日に体調が急変。救急搬送を依頼し、救急隊員が受け入れ先を探したものの、満床を理由に10以上の医療機関から搬送を断られ1時間以上かかって県内の病院に搬送された。その後男性は搬送先の病院で9日に亡くなった。市では、死因について血栓が生じやすくなる疾患である「播種性血管内凝固症候群(DIC)」だった可能性があるとしている。

 なお、市の保健所がこの男性の感染を把握したのは検査結果判明から3日後の今月6日だったことも明らかになっており、7日の体調急変時に情報が共有されず、受け入れの判断に影響が出た可能性も考えられる。さいたま市では、この男性の検査を行った医療機関から、陽性者の爆発的な増加で登録処理が追いつかなかったという説明を受けたとしているが、好ましくない事例と認識しており、今後速やかに対応するよう周知することを検討するという。

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