横浜DeNAの開幕ローテーション入りを目指す左腕に、打者のタイミングを狂わせる武器がもう一つ増えそうだ。
シート打撃に初登板した東が、従来よりも球速の遅いチェンジアップを投じた。110キロ台の新たな球種で、打撃好調な大田を三ゴロに打ち取るなど手応えをつかんだ様子。「思った以上の反応だったので良かった。公式戦で使っていける球になる」。ボールを受けた山本も「同じ球種でも打者の反応が全然違う。バリエーションがまた増えて面白くなる」と太鼓判を押した。
1月の自主トレーニングを共にした中日の笠原から握りやリリースの感覚を学んだという。「投球の幅を広げることを考えたら僕はフォークを投げることができない。曲げる意識はなくて、しっかり緩急と奥行きがあれば」。今後の対外試合で打者の反応を見極めながら精度を高めていく。
桑原や柴田らミートが巧みな打者には球威で押し込んだ。キャンプの疲れがたまっている中で、打者10人に対し、安打性は2本のみ。「きょうは(ストライク)ゾーン内にしっかり投げられることを課題としてやった」。4年ぶりの1軍キャンプで、順調な調整ぶりがうかがえる。
左肘の手術から昨年9月に復帰した26歳は長風呂でリフレッシュしながら、体調管理に注意を払っているという。「毎日、治療を入れていても全然リカバリーが追い付いていない。本当に疲労を取って仕上げていくしかない」。開幕投手最有力だった今永が2軍調整となり、先発陣を引っ張る役割も巡ってきそうだ。