神奈川県立がんセンター 発症初期段階から「遺伝子パネル検査」開始 保険適用外も低廉に

県立がんセンター=横浜市旭区

 神奈川県の黒岩祐治知事は17日の県議会本会議で、県立がんセンター(横浜市旭区)で4月から、がん組織の遺伝子を同時に調べて患者に最適な治療法を提案するための「遺伝子パネル検査」を保険適用外である発症初期段階から開始する方針を明らかにした。治癒する可能性が高い初期段階で治療の選択肢を広げる狙いがある。

 公明党の亀井貴嗣氏の代表質問に答えた。

 同検査の公的医療保険の適用は現状、標準治療を終了した患者らに限られており、同センターもこうした患者のみに同検査を行っている。ただ、標準治療後の同検査で最適な治療法が見つかっても、症状の進行で治療に結び付かないケースもあり、初期段階からの同検査を求める声が寄せられていた。

 県によると、同検査を保険適用外で実施している医療機関では最低でも60万円程度かかるといい、同センターでは低廉な38万円で受けられるようにすることを検討している。

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