【2022年最新】もうすぐ桃の節句!京都のユニークなひな祭りスポット9選

2月も半ばを過ぎ、待ち遠しい春はすぐそこ! 3月3日「桃の節句」には歴史ある京都の寺社などで、それぞれに工夫を凝らしたひな祭りが催されます。2022年には中止となるイベントもありますが、来年以降の京都旅の参考にしてみては? かわいらしい雛人形に包まれて華やかな気分を満喫してみませんか。

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【上賀茂神社】厳粛な「桃花神事」と「流し雛」

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「上賀茂神社」では3月3日に「桃花神事」が厳かに執り行われます。神前に桃やこぶしの花、草餅などを供え、川辺で禊をして、無病息災、国家安寧を祈願します。儀式には一般の観光客も参加できますよ(要初穂料)。

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境内にある「渉渓園(しょうけいえん)」では、紙で作られた雛人形を水に流す「流し雛」が催されます。神職らは、願い事が書かれた短冊とともにひな人形を流します。流し雛はひなまつりの原点ともいわれ、平安時代に身のけがれを人形に移し、川などに流したことに由来するといわれています。

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古代豪族賀茂氏の氏神として創建された上賀茂神社。世界遺産に登録され、国宝の本殿、権殿をはじめ、社殿、楼門など重要文化財41棟を含む60棟もの社殿が建ち並びます。朱塗りの社殿に周りの緑がよく映える、格式ある美しい神社です。

■桃花神事

開催日時:3月3日

開催時間:10:00~

初穂料 3,000円(神事に参列する場合のみ)

流し雛:13:30~

上賀茂神社

住所:京都市北区上賀茂本山339

TEL:075-781-0011

[開門時間]

二ノ鳥居:5:30~17:00

楼門及び授与所:8:00~16:45

御祈祷:9:00~16:30 随時受付(予約不要)

特別参拝:10:00~16:00(受付時間)

拝観料金:境内自由

URL:https://www.kamigamojinja.jp/

【三十三間堂】献華式や青空説法、当日限定「桃のお守り」も!

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「三十三間堂(さんじゅうさんげんどう)」の「春桃会(もものほうえ)」は、お堂の名にちなみ「三」の重なる3月3日に法会が開催され、当日は無料で公開されます。無事息災の祈願が執り行われ、華道池坊の献華式や華展、京都女子大学落語研究会による「寄席」、青空説法などが行われます。以前、瀬戸内寂聴さんがお話をされたこともあります。

当日限定で女性のための「桃のお守り」(500円)や幸運を引く「花咲おみくじ」も授与されるというのもうれしいですね! 境内では特製の「雛うどん」や「雛ちらし寿司」(有料)が振舞われます。

また、千体観音を特設の高壇から遥拝することができるのも貴重な機会。堂内には有識雛の七段飾りが配され、ひな祭りの雰囲気を味わえますよ。

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三十三間堂の正式名称は「蓮華王院(れんげおういん)」といいい、1001体の千手観音が長さ120mの堂内を埋める迫力ある様子で知られています。1266年(文永3年)に再建された本堂は国宝に指定され、中心に千手観音坐像を安置し、両端には風神雷神像、前には力士や鬼畜を含めた二十八部衆が納められています(すべて国宝)。

■春桃会

開催時間:9:00~15:30

拝観料:当日のみ無料

献華法要:10:00~

京都女子大学落語研究会「寄席」12:00~

青空説法:13:00~

池坊華展:終日

蓮華王院 三十三間堂

住所:京都市東山区三十三間堂廻町657

TEL:075-561-0467

拝観時間:8:30~17:00(受付終了は30分前)

拝観料:3月3日のみ無料公開(通常600円)

※11月16日~3月は9:00~16:00

年中無休

URL:http://www.sanjusangendo.jp

【市比賣神社】装束に身を包んだ人間がひな壇に並ぶ「ひいなまつり」

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「市比賣神社(いちひめじんじゃ)」は女性の守り神で、特に女性の厄除けにご利益があるとされ全国から参拝客が訪れます。

3月3日に行われる「ひいなまつり」では、人形ではなく人間が平安時代の貴族の装束を着た「ひと雛勢揃い」が一番の見どころです。人の男雛、女雛、三人官女、五人囃子が雛壇に並ぶ様は、なかなか見る機会はないのでは? 縁のある選ばれた人々がモデルになり、束帯や十二単の着付けの実演もあります。

五人囃子の雅楽に合わせ、官女が桃の花をかざして「官女の舞」を披露。貝合わせや双六なども体験できます。平安貴族の優雅な生活を垣間見てはいかがでしょう。2月中旬からは神社境内でも雛人形の展示が行われます。

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市比賣神社は795年(延暦14年)に桓武天皇の命により市場の守護神として創建されました。1591年(天正19年)に現在地へ移転。現在も京都中央市場の守護神です。境内の天之真名井(あめのまない)は歴代天皇の産湯に用いられ、現在も茶会などに使われている名水です。

■ひいなまつり

開催日:3月3日

開催時間:13:00~(定員250名、予約不要)

参加費:2,000円(お守り、ひな茶接待付き)

開催場所:ひと・まち交流館京都(市比賣神社の向かい)

※2022年の開催有無は未定

市比賣神社

住所:京都市下京区河原町五条下ル一筋目西入ル

TEL:075-361-2775

参拝・受付時間:9:00~16:30(受付終了)

無休

URL:https://ichihime.net/

【貴船神社】女の子の成長と健康を祈る「桃花神事」

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叡山電鉄の出町柳駅から貴船口まで約30分。「貴船(きふね)神社」は京都北部の山深くにあります。水の供給を司る神を祀り、代々の朝廷をはじめ、農漁業、醸造業関係者など水にまつわる関係者を中心に信仰を集めています。

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3月3日「ひなまつり」には、五節供神事のひとつ「桃花神事(とうかしんじ)」が執り行われます。本殿内に雛人形(立ち雛様)を飾り、古くから伝わる特殊神饌をはじめ、悪霊を払う桃の花に加え、こぶしの枝と草餅を神様にお供えして、女の子の成長と健康を祈ります。

神事の後に執り行われる「直会(なおらい)の儀」では、御神前に供えられた草餅をお下がりとしていただくことができます。

貴船神社の創建年代は不詳。古くから「氣生根(きふね)」とも表記され、気力が満ちる根源の地(今でいうパワースポット)として信仰されています。また、平安時代の歌人・和泉式部が参詣し、不和となった夫との復縁を祈願したところ成就したという逸話から、えんむすびの神様として絶大な人気を集めています。

■桃花神事

開催日:3月3日

開催時間:11:00~

初穂料:無料

先着30名(事前に整理券を配布)

貴布禰総本宮 貴船神社

住所:京都市左京区鞍馬貴船町180

TEL:075-741-2016

本宮 開門時間:6:00~18:00(12月1日~4月30日)

授与所受付時間:9:00~17:00

※水占みくじ、御守、御朱印などの授与受付

年中無休

参拝無料

URL:https://kifunejinja.jp/

【法住寺】華やかなつりびなに包まれる「つりびな展」

後白河法皇の御所であった法住寺殿跡に建つ「法住寺」。かつては広大な敷地を持ち、殿内にある三十三間堂はお堂の一つでした。

「~母から娘、祖母から孫へ~ まごころ伝える つり雛展」では、無病息災や良縁などを祈願し、静岡県伊豆在住の住職の祖母がちりめんや着物の切れ端で作った、人形や花、金魚などの縁起を担いだ飾りをひもにつるす「つりびな」と呼ばれる雛飾りが展示されます。また、寺に伝わる七段飾りの雛人形や、貝合わせなどの道具も飾られます。色とりどりの雛人形や雛飾りに囲まれ、華やかな雰囲気を楽しめますよ。

法住寺の本尊は「身代わり不動明王」で、開運、厄除けのご利益があるとされています。赤穂浪士の大石内蔵助が、不動明王に祈願し大願成就したことでも知られています。

■つりびな展

開催期間:2月28日~3月3日

開催時間:9:00~16:00

料金:600円(堂内参拝料500円込み)

つり雛展特別参拝記念の証し1,000円(志納料600円込み)

※希望者のみ。数量限定でなくなり次第終了

法住寺

住所:京都府京都市東山区三十三間堂廻り655

TEL:075-561-4137

受付時間:9:00~16:00

拝観料:境内自由

URL:http://hojyuji.jp/

【千両ヶ辻】西陣で開催されるお祭り「ひな祭り 桃の節句の彩り」

(C)shutterstock/Khun Ta

京都の北西部にある西陣織で知られる西陣。今出川通りと大宮通りが交差する界隈は、江戸時代から「千両ヶ辻(せんりょうがつじ)」と呼ばれ、軒を連ねる糸問屋や織物商が、一日に千両に値する商品を売買した西陣織の中心地でした。当時の活気にあふれた雰囲気を再現すべく、9月23日の秋分の日に「西陣・千両ヶ辻伝統文化祭」が行われます。

その賑わいを春にもという有志が集い、「ひな祭り 桃の節句の彩り」が開催されます。各家が所蔵する雛人形や雛飾りを公開。町家の特別公開や西陣和装品の特別販売、飲食店や茶房の出店、考古資料館による講演会など、さまざまなイベントが催されるお祭りです。人力車も走るという賑やかさ。

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京都の中でも特に京都らしさの残る西陣で、京都人の気概を感じられるはすです。和文化を大切にする界隈へ、ぜひ着物を着て訪れてみてはいかがでしょう。

■千両ヶ辻「ひな祭り 桃の節句の彩り」

開催期間:3月1日~3月3日

開催時間:10:00~16:30

水野克比古フォトスペース「町家写真館」は全日程開催

その他の参加各家の開催日時は、各家によって異なります。

参加リストや詳細などの最新情報は下記HPにて随時更新

URL:https://senryogatsuji.jimdofree.com/

来年はぜひ!今年中止決定のひなまつりイベント

【下鴨神社】京都を代表する古式ゆかしい儀式「流し雛」

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平安時代に始まったという「流し雛」。現在はきらびやかな人形を雛壇に飾るのが一般的ですが、元々は罪や穢れを色紙などで作った雛人形に託し、水に流して祓う神事でした。地方によっては今も雛を川に流す習慣が残っています。

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「下鴨神社」では、御手洗(みたらし)池前の御手洗社(井上社)で神事の後、桟俵(さんだわら)に乗せた雛人形を境内のみたらし川に流し、子どもたちの無病息災を祈願します。流し雛は、色紙などで作った極めて簡素な男女二人の雛を用います。

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十二単と束帯をまとった男雛女雛は、一般公募で選ばれた結婚予定のカップル。彼らを背景に舞妓さんが流し雛を行う姿は、平安時代のように風流です。甘酒の接待などもあります。

京都最古の神社といわれる下鴨神社は、神社を取り巻く原生林「糺(ただす)の森」を含めた全域が世界遺産に登録されています。平安京造営以前に京を治めていた豪族賀茂氏の氏神を祀り、正式名称は「賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)」といいます。

縁結びをはじめ、安産、子宝、学業、勝負運などにご利益があるとされています。京都三大祭の一つ「葵祭」や「御手洗祭」などさまざまな祭りが執り行われます。

■流し雛

開催日:3月3日(2022年は中止)

開催時間:受付10:00~ 神事10:30~

下鴨神社

住所:京都市左京区下鴨泉川町59

TEL:075-781-0010

定休日:なし

開閉門時間:6:30~17:00

URL:https://www.shimogamo-jinja.or.jp/

【松尾大社】親子で一日中楽しめる「ひなまつり」

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「松尾大社(まつのおたいしゃ、まつおたいしゃ)」は、嵐山にほど近い桂川沿いの自然豊かな場所にあります。

「ひなまつり」では、子どもたちの健康と幸せを祈願する神事及び巫女による「豊栄の舞(とよさかのまい)」が奉納されます。次に松風苑の「曲水の庭」で、雅楽の調べとともに「流し雛」が行われます。名作庭家・重森三玲(しげもりみれい)による庭も見どころです。

その後会場では、親子で楽しめる折り紙の雛人形作りなど、ひなまつりにちなんだ催しが行われ、桃の節句を一日中楽しめます。

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701年(大宝元年)に本殿が建立された松尾大社は、朝鮮から渡来した秦氏が氏神として信仰した古社です。境内に霊亀の滝、亀ノ井の名水があり、特に酒造家から信仰を集めています。毎年4月20日以降に行われる「神幸祭」は1000年の歴史を持つ祭礼です。

■ひなまつり

開催日:3月3日(2022年は中止)

開催時間:祭典(拝殿にて)10:00~ 流し雛10:30~

料金:参列者無料

松尾大社

住所:京都市西京区嵐山宮町3

TEL:075-871-5016

拝観時間:平日・土曜9:00~16:00

日曜・祝日9:00~16:30

拝観料(庭園・神像館共通):大人500円/学生400円/子供300円

URL:http://www.matsunoo.or.jp/

【宝鏡寺】皇室ゆかりの人形や多彩な雛人形を展示「春の人形展」

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通称・人形寺として知られる「宝鏡寺(ほうきょうじ)」は、室町時代に創建され、歴代皇女が住持となった尼門跡寺院です。代々内親王が入寺され、天皇である父君から季節ごと、機会があるごとに人形が贈られてきたため、多くの人形が所蔵されています。1959年(昭和34年)には、人形を供養しその霊を慰めるため、境内に人形塚が建立されました。

こちらでは「春の人形展」のオープニングイベントとして、本堂で「ひなまつり」が行われます。舞と楽器などの演奏が奉納される華やかな催しです。

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「春の人形展」には、雛人形を中心に孝明天皇寵愛の人形をはじめ、御所人形や内裏雛などが展示されます。京人形をはじめ、各地で作られた新旧名品など、普段は見ることのできない貴重な人形を見ることができます。※「春の人形展」は開催

■ひなまつり

開催日:3月1日(2022年は中止)

開催時間:11:00~11:30

■春の人形展

開催期間:2022年3月1~6、11~13、18~21、25~27日

4月1~3日(状況により変更の場合あり)

開催時間:10:00~16:00(閉門/受付15:30まで)

入場料:大人600円/小中学生300円

旧百々御所 宝鏡寺門跡

住所:京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町547

TEL:075-451-1550

URL:http://hokyoji.net/

※コロナウイルスの感染状況により、時間や行事の内容が変更または中止となる場合があります。詳しくは各公式ホームページなどでご確認下さい。

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