陸地からホエールウォッチング! 嶺山公園をおすすめする理由

冬になると奄美の海にはクジラがやってきます。そのため、この時期は船によるホエールウォッチングが人気のアクティビティになります。しかし、冬は北風が強く海が荒れる日が多いので、船酔いする人にはちょっとハードルが高め。今回は、船には乗らず陸地からホエールウォッチングしたい人におすすめの嶺山公園をご紹介します。

嶺山公園から撮影:ネイチャーガイド山下恭秀

ホエールウォッチングの魅力

奄美にやってくるクジラは何種類かいるそうですが、一番よく見かけるのはザトウクジラ。
夏の間はエサの豊富な北の海で過ごし、冬になると奄美や沖縄などの暖かい海で交尾や出産、子育てをします。

奄美では陸上からでも沖を泳ぐクジラを確認することができます。よく見かけるのはブローと呼ばれる潮吹き。他には、胸ビレを海面にバシャンバシャンと叩きつけるペックスラップ、体が海面から出るほどジャンプするブリーチなど。

奄美では気軽にできる陸からのホエールウォッチングですが、発見した時はきっと誰でも興奮するでしょう。特にブリーチなど躍動的な姿には感動を覚えるはずです。

嶺山公園から撮影:ネイチャーガイド山下恭秀

嶺山公園がなぜホエールウォッチングに適しているのか

奄美大島の中西部に位置する大和村。そのちょうど中間あたりにあるのが嶺山公園です。
公園は海に突き出た岬にあり、小高い丘の上に展望台があります。展望台は海抜約216メートルで眼下には海が広がります。

展望台からは奄美大島の西側が180度以上見渡せて、東は笠利崎、西は枝手久島まで眺めることができます。見晴らしが良いので、かつて平家の落人が見張り台を立てていたという話も伝わっています。
そんな島の半分を見渡せるほど見晴らしが良いということは……つまり、クジラを見つけやすいということです。運がよければ、嶺山公園のすぐ下の岩場に浮上することもあるのだとか。

どのくらいの割合で見られるのか

どのくらい眺めていたら見られるのか……というのは、正直誰にも分かりません。
クジラは野生のものだし、見られる時間帯も様々です。しかし、嶺山公園によくホエールウォッチングに来る方々からは「八割方見ることができる」や「1時間もあれば発見できる」といった言葉を聞くことがあります。運が良いときは、嶺山公園に到着して5分で見つけられたという日もあるそうです。

ホエールウォッチングは運次第。まったく姿を表さない日だってあります。
しかし、もしクジラが見られなくても、嶺山公園からの景色や夕日は一見の価値あり。お散歩するにもとっても気持ちの良い場所です。

さあ、冬の奄美をクジラと共に楽しみましょう。
嶺山公園でホエールウォッチングする際には、防寒着と、温かい飲み物を用意していってくださいね。


嶺山公園
所在地:〒894-3107 鹿児島県大島郡大和村大金久1280
ホームページ:https://www.vill.yamato.lg.jp/kikaku/shisetsu/toire/006.html

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