中日の開幕投手はいつ決まる? 候補は2人…立浪監督の言葉に滲む“信頼度”

中日・柳裕也(左)と大野雄大【写真:小西亮】

柳裕也のブルペンを立浪監督が“打者目線”で確認「いい形で来ている」

中日が誇る左右の2枚看板が、春季キャンプで順調に調整を進めている。昨季投手2冠に輝いた柳裕也投手と、2020年に沢村賞を獲得したエースの大野雄大投手。17日の練習では、立浪和義監督が両投手の現状を確認した。気になるのは、開幕投手の行方。指揮官の言葉からは、それぞれに対する“信頼度”が滲む。

昨季の成績を反映させるなら、柳という選択肢になる。チームトップの11勝を挙げ、最優秀防御率と最多奪三振のタイトルを獲得。今キャンプのブルペンでも、早くも抜群の制球力を見せている。偵察した他球団のスコアラーも「今年も普通に抑えるでしょうね」と警戒を強める。

この日の投球練習では、立浪監督が直々に左打席に立つ場面も。「コントロールのいいピッチャーしか立たないです」と周囲を笑わせつつも、打者目線でボールの質を確認。「ナイスボール!」と唸ったり、変化球のコースを具体的に助言したり。全く心配のない仕上がり具合に「キャンプ初日から非常にいい形で来ている」と頷いた。

一方、築いてきた信頼感なら、大野雄に任せたい。昨季こそ勝ち星に恵まれずに7勝11敗と負け越したが、防御率2.95と踏ん張った。何より2020年に見せた驚異の10完投をはじめ、近年低迷するチームを押し上げようと引っ張ってきたエースの存在は大きい。

この日は主力の打者を相手にしたシート打撃に登板。高橋周に一発を浴び、福留には複数の安打性の当たりを許して「質がまだまだ」と言うものの、段階を上げていく過程では織り込み済みな様子。立浪監督も「味方チーム(の打者が相手)ですから、インコースもなかなか厳しくいけないですし。この時期、順調に投げられているんで、十分じゃないですか」と結果度外視だった。

中日・立浪和義監督【写真:小西亮】

柳裕也は“やってもらわないといけない”、大野雄大は“やってくれるはず”

3月25日の開幕まで1か月余り。大役のマウンドについて、指揮官は「そろそろ本当に、話し合って決めて。本人にも伝えてやらないといけない」と見通す。柳、大野雄ともに問題なければキャンプ最終盤の試合で登板することも想定される。心と体の準備期間も考えると、実戦初登板を見た上で決定という流れも十分現実味を帯びる。

どちらが務めても文句なし。ただ、立浪監督の言葉からは、わずかながら信頼度の違いも滲む。柳については「昨年良くて、今年が本当の意味で勝負だと思うので、1シーズンやってもらわないといけないピッチャーですね」。真価の1年と位置付けている。

大野雄に対しては「この時期にしっかり打者に対して投げられれば十分。ボールも非常に良かったですし、安心しています」。“やってほしい”ではなく、アクシデントさえなく進めば“必ずやってくれるはず”との思い。何より、今季から左胸につける「C」のマークが、信頼の証しにほかならない。

まだ明言こそしないものの、立浪監督にとっては両投手が順調なのが最たる安心材料。昨季リーグ屈指の安定感を誇った投手陣を、今季も2枚看板が引っ張っていく。真の投手王国再建の足音は、すぐそこまで聞こえている。(小西亮 / Ryo Konishi)

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