中日・立浪監督も思わず「ナルホドな」 金メダルの指揮官から学んだ“打撃論”

ベンチで談話する中日・立浪和義監督(左)とソフトボール女子日本代表の宇津木麗華監督【写真:小西亮】

ソフト女子日本代表・宇津木麗華監督と“バッティング談議”

プロ野球史上最多の二塁打を放ち、ミスタードラゴンズと呼ばれた中日・立浪和義監督にだって、学びの機会はある。17日の朝に向かったのは、1軍の春季キャンプが行われているメイン球場「Agreスタジアム北谷」に隣接するソフトボール場。「世界一の指揮官」を訪ねた。

ベンチに座って向かい合ったのは、昨夏の東京五輪で金メダルを獲得したソフトボール女子日本代表の宇津木麗華監督。国内リーグの強豪・ビックカメラ高崎を指導するレジェンドと約30分間、“バッティング談義”に花を咲かせたという。

「世界一の監督ですし、いろんな経験もされている。素晴らしいバッターでもありましたから」と尊敬するひとり。ソフトの日本リーグで3冠王にも輝いた元大打者はバットを手に、6歳下の新米監督に自らの“理論”を伝えた。その話の一端を、立浪監督が明かす。

「ナルホドなと思ったのは、苦手じゃない得意な部類に入るピッチャーは引っ張りにいって、苦手な投手は逆方向に打ちにいくという。そうすると成果が出ると。非常にいい話だなと聞いていました」

投手との相性で“打ち分ける”意識は、まさに目からウロコだった様子。野球とソフトで違いはあるとはいえ、学びが多いことも確か。中日の臨時コーチを務めた昨春のキャンプでは、打撃に悩む京田陽太内野手をソフトボール場に連れて行き、考えるきっかけを与えたことも。立浪監督の学習意欲は尽きない。

キャンプは後半に入り、徐々にチームの形も見えてきたころ。試行錯誤を繰り返しながら、随所に独自のカラーも打ち出している。“金メダルの教え”も肥やしに変え、再建の足場を固めていく。(小西亮 / Ryo Konishi)

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