【おんなの目】 集団接種

 先日、新型コロナワクチン追加(3回目)接種を受けた。前2回とも集団接種だったので今回もそれ。違うのは、前はファイザー社製だったが、今回は武田/モデルナ社製。医学知識ゼロの私は2社のワクチンの違いなどわからない。ただ武田という日本名を見た時、何故か安心した。私は戦前の人達の働く姿を見て育った。彼らの仕事に向かう責任感や、忍耐力、技術力には信頼がある。引き継がれているはずだ。世界も好きだが、日本も好き。

 先に接種した友人が「肩をすぐだせるようにしておくように」と言った。今は厳冬。私は寒がりなので沢山着ている。肩を出すことは容易ではない。そうだ、前開きの服を重ね着すれば良いではないか。左肩を出すので、前を開き左だけ脱ぎ、下着は襟ぐりの広いものなら、襟を広げて肩だけひょいと出せる。前開きといえばカーディガンだ。私は持ってないので、母の遺品をあさる。捨てようとゴミ袋に入れていたのを引っ張り出し、小豆色の少々くたびれたカーディガンを着た。

 接種会場にはきびきびと働く若い人達の頼もしい姿があった。笑顔で私の虹色の帽子を褒めてくれた。高齢者も好きだが若い人も大好き。

 肩だしもスムーズにいき、チクリ。はい、終わり。私を守ってください。

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