3回目接種どうする? コロナワクチン、モデルナに判断揺れる

3回目となるワクチンを接種する住民(左)=1月、和歌山県上富田町朝来の上富田文化会館で

 新型コロナウイルスワクチンの3回目接種が本格化する中、米モデルナ製を接種するかどうかで、判断が分かれている。2回目までは米ファイザー製が大半。3回目に異なるワクチンを打つ「交互接種」や、副反応への不安からモデルナを敬遠する動きがある。一方で、感染拡大を受け「どちらでもいいから早く打ちたい」という層も増えている。

 和歌山県田辺市の集団接種はモデルナを使用。予約を受け付けてすぐに定員が埋まった2回目までの接種時に比べ、今月から始まった3回目接種の予約は反応が鈍いという。「3回目は必要ないと考えている人だけでなく、モデルナを敬遠している人が一定数いる」とみている。

 上富田町では3回目接種の案内はがきで、ファイザー、モデルナ、どちらでもよいの三つから選択できるようにしているが、ファイザーを選ぶ人が目立つという。現在、集団接種でモデルナを使用しているため、ファイザーを選ぶと接種が遅れるが「それでも構わない」という人が少なくないという。

 田辺市の30代女性は「腕が腫れるモデルナアームなど副反応が心配。ファイザーでも副反応はあったけれど、前回と同じ方が安心できる」とファイザー一択。田辺市の40代男性は「できればファイザーがいいけれど、モデルナでもやむを得ない。接種を済まさないと安心して行動できない」と早く接種できることを優先する。

 白浜町の50代男性は「ファイザーかモデルナかは、特に気にならない。いろんな情報が飛び交っているが、モデルナだからといって特に不安はない」という。

 交互接種やモデルナの有効性は、厚生労働省の審議会で確認されている。積極的にモデルナを打ちたいという田辺市の50代女性は「交互接種の方が感染を防ぐ抗体の量が増えると聞いている。それなら、試してみたい」と話した。

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