菅派結成へ「身を切る実力行使」 麻生派会長代理の佐藤氏が派閥退会の意向

 麻生太郎元首相の派閥「志公会」の会長代理・佐藤勉前自民党総務会長が18日までに、派閥を退会する意向を固めた。複数の同派関係者によると、当選同期で盟友の菅義偉前首相(衆院神奈川2区)へ合流を前提として派閥結成を促しているという。佐藤氏に同調して退会する議員は増える見通し。「身を切る実力行使」(自民幹部)で決起を促す流れで、前首相も難しい判断や対応を迫られそうだ。

 同派の所属議員は53人で茂木敏充幹事長の派閥と並び党内第2派閥。1人でも抜ければ第3派閥へ転落。退会者が膨らめば岸田文雄首相(45人)や二階俊博前幹事長(43人)の派閥と同レベルの規模となる可能性もあり、党内力学に変化を生じるのは必至だ。

 議員グループ「天元会」(6人)を率いていた佐藤氏は、2017年の志公会結成に参加。党執行部の一員として菅政権を支えた。

 緊急事態宣言中に東京・銀座のクラブ訪問問題で離党し、衆院選で落選した松本純・元国家公安委員長の派閥復帰に当たり、佐藤氏は「麻生氏から事前にきちんとした説明がなかった」などと周辺に不満を漏らしている。

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