スペインの歌手アマイア・ロメロが「Yamaguchi」を発表 パンプローナ市の「山口公園」を歌う

 スペインの著名な歌手、アマイア・ロメロ(Amaia Romero)が、「Yamaguchi」(山口)という曲を、23歳の誕生日を迎えた今年1月3日に発表した。登録者数約11万8000人の彼女のYouTubeチャンネルでは45万回以上視聴されるなど、「Yamaguchi」という単語が世界中に広まっている。

▲アマイア・ロメロ

 山口市の姉妹都市であるパンプローナ市出身のアマイアは、2018年2月にスペイン国営放送の人気オーディション番組「スター・アカデミー」の第9回で優勝。そして、同番組で競った男性歌手のアルフレッドと共に、欧州放送連合による43カ国対抗「ユーロビジョン・ソング・コンテスト2018」にスペイン代表として出場し、23位になった。翌2019年に発表したデビュー・アルバム「Pero No Pasa Nada」(でも、それでいいんだ)は、スペイン国内のベストセラーアルバム1位および再生回数1位を獲得し、収録曲もヒット。2020年の調査では、国民の81%が彼女を「知っている」と回答した。

 曲「Yamaguchi」は、彼女が幼少期や思春期の大切な時間を過ごした、パンプローナ市にある「山口公園」を歌ったもの。ミュージックビデオには同公園の風景がふんだんに登場し、歌詞の中には「日本の山口市」という言葉も出てくる。

▲ミュージックビデオの一場面

 「山口公園」は、今から25年前の1997年6月に、山口市とパンプローナ市との姉妹都市縁組(1980年)15周年記念事業として、約2年の歳月をかけて造られた。公園の中央部にある約6000平方メートルの日本庭園は、山口市造園協会から派遣されたメンバーの現地指導のもとで建設。園には、日本の文化や山口市から寄贈された図書などを紹介する「山口図書館」も併設されている。アマイアが生まれたころから存在する「山口公園」はすっかり定着し、パンプローナ市民憩いの場として愛されているという。

 山口市民に対してアマイアは「こんにちは! パンプローナ出身の歌手アマイアです。山口市の皆さんがこの曲を気に入ってもらえたらうれしいです」と、山口市国際交流課を通じて日本語で呼びかけている。

 山口市とパンプローナ市との縁は、16世紀にさかのぼる。スペイン・ナバラ王国の貴族の家に生まれた宣教師、フランシスコ・サビエル(ザビエル)が、当時山口を治めていた大内義隆に、キリスト教の布教を許されたことに始まる。そして、サビエルの功績を見直す中で、ナバラ州の州都・パンプローナ市との交流の機運が高まった。1979年、(合併前の旧)山口市の市政50周年を機に、当時の堀泰夫市長ら14人が1月下旬に同市を訪問。4月にはパンプローナ市のベラスコ市長夫妻ら6人が山口市での市政50周年記念式典に出席した。その翌年の1980年2月19日、パンプローナ市で姉妹都市提携が結ばれた。

▲「Yamaguchi」の歌詞

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