『スーパーGTヴァーチャルシリーズ』第2戦の舞台はスパ。序盤の大混戦から戦略の勝負に

 2月18日、スポーツ専門テレビ局J SPORTSで、『SUPER GT 2022 ヴァーチャルシリーズ J SPORTSグランプリ』第2戦スパ・フランコルシャンが放映された。17名のドライバーたちが、スーパーGTが開催されたことがないベルギーのスパを舞台に熱戦を展開。阪口晴南(WedsSport ADVAN GR Supra)がポール・トゥ・ウインを飾った。

 2022年シーズン開幕を前に、ファンにスーパーGTのレースをみせよう……という意図のもと、スーパーGTのレース中継を担うJ SPORTSとGTアソシエイション、ポリフォニー・デジタルがタッグを組み開催されたのが『SUPER GT 2022 ヴァーチャルシリーズ J SPORTSグランプリ』だ。1月29日に放映された第1戦鈴鹿に続き開催された第2戦の舞台は、鈴鹿同様屈指のドライバーズサーキットと言われるスパ・フランコルシャン。もちろんスーパーGTが開催されたことがなく、走ったことがないドライバーも多いコースだ。

 今回の第2戦の予選は、年齢が高い順のシングルカーアタックに。本山哲(Team LeMans Audi R8 LMS)、星野一樹(GAINER TANAX with IMPUL GT-R)、吉本大樹(SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT)という順でアタックが展開されていった。まず8台がアタックした段階で、中山雄一(DENSO KOBELCO SARD GR Supra)が2分15秒192をマークしトップに立つ。

 後半、グランツーリスモSPORTを得意とする若手ドライバーたちがアタックを開始するが、やはり速さをみせていく。阪口が2分14秒943をマークし、僅差でポールポジションを獲得。三宅淳詞(たかのこの湯 GR Supra GT)が2分14秒953で2番手、大湯が2分14秒968で3番手に。4番手に山下健太(ENEOS X PRIME GR Supra)、5番手に中山がつけた。

「レースは混戦になると思います」とポールポジションの阪口が語ったとおり、17周の決勝レースは1周目から波乱の展開となる。スタートでうまくあわせた三宅が1周目のケメルストレートで阪口のスリップへつくと、レ・コームでトップをうかがう。しかし、わずかにコースアウトすると、続くブリュッセルへの下りで、三宅は中山と接触。スライドし順位を落としてしまった。また大湯もケメルストレートエンドでコースを外れた。

 これでトップは阪口、2番手には1周目に大湯とサイド・バイ・サイドのバトルをみせた山下が浮上。ソフトタイヤを履く中山が3番手、順位を上げてきた坪井翔(au TOM’S GR Supra)が4番手。大湯、牧野任祐(STANLEY NSX-GT)と続く。トップ争いは阪口、山下、中山という3台のGRスープラ、そしてこれに大湯が続く展開となった。

 その4台のなかで速さをみせたのが、ソフトタイヤを履く中山と大湯。トップ2を占めていくが、ミディアムの阪口がピタリとトップ2をマークしていく。7周目を終えたあたりから上位陣が続々とピットインを行っていくが、先に動いたのは阪口と山下。コース上にステイした中山と大湯はバトルを続けていたが、中山、大湯はピット作業を終えると山下の後方に。先にピットに入りソフトで後半を走る阪口が、大きなリードを築いていった。

 速さと戦略を決めた阪口は最終的に13秒ものリードを築き、第2戦スパを制することに。ランキングでもトップに浮上した。山下が2位、ピットアウト後中山と接触でペナルティを受けた大湯だったが、14周目に逆転。3位を獲得した。

 4位は中山で、5位争いは三宅、坪井、牧野、太田格之進(UPGARAGE NSX GT3)による激しい戦いとなったが、牧野、坪井は争いのなかでスピンを喫し、三宅が5位に。牧野が6位、太田が7位となった。

 シリーズ最終戦となる第3戦の舞台は富士スピードウェイ。3月4日(金)18時からJ SPORTSオンデマンドで、3月4日(金)21時からJ SPORTS 4で放映される。第1戦鈴鹿もJ SPORTSオンデマンドでいつでも視聴が可能だ。詳細はホームページ(https://www.jsports.co.jp/motor/supergt/)まで。

SUPER GT 2022 ヴァーチャルシリーズ J SPORTSグランプリ

第2戦スパ・フランコルシャン 決勝結果

Pos. No Driver Car Car Type Gap

1 19 阪口晴南 WedsSport ADVAN GR Supra トヨタ GR SUPRA Racing Concept

2 14 山下健太 ENEOS X PRIME GR Supra トヨタ GR SUPRA Racing Concept 13.678

3 16 大湯都史樹 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT ホンダNSX Gr.3 17.618

4 39 中山雄一 DENSO KOBELCO SARD GR Supra トヨタ GR SUPRA Racing Concept 19.474

5 244 三宅淳詞 たかのこの湯 GR Supra GT トヨタ GR SUPRA Racing Concept 31.737

6 1 牧野任祐 STANLEY NSX-GT ホンダNSX Gr.3 32.657

7 18 太田格之進 UPGARAGE NSX GT3 ホンダNSX Gr.3 33.689

8 36 坪井翔 au TOM’S GR Supra トヨタ GR SUPRA Racing Concept 39.646

9 16 笹原右京 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT ホンダNSX Gr.3 +1Lap

10 10 星野一樹 GAINER TANAX with IMPUL GT-R ニッサンGT-RニスモGT3 +1Lap

11 52 川合孝汰 埼玉トヨペットGB GR Supra GT トヨタ GR SUPRA Racing Concept +1Lap

12 60 吉本大樹 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT トヨタ GR SUPRA Racing Concept +1Lap

13 56 藤波清斗 リアライズ 日産自動車大学校 GT-R ニッサンGT-RニスモGT3 +1Lap

14 24 佐々木大樹 リアライズコーポレーション ADVAN GT-R ニッサンGT-RニスモGT3 +1Lap

15 64 大津弘樹 Modulo NSX-GT ホンダNSX Gr.3 +1Lap

16 60 河野駿佑 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT トヨタ GR SUPRA Racing Concept +1Lap

17 6 本山哲 Team LeMans Audi R8 LMS アウディR8 LMS +1Lap

『スーパーGTヴァーチャルシリーズ』第2戦スパ・フランコルシャンの様子
『スーパーGTヴァーチャルシリーズ』第2戦スパ・フランコルシャンの様子

© 株式会社三栄