慶應義塾大学SFC研究所、子ども食堂支援DX化に向け実証実験を開始

慶應義塾大学SFC研究所と社会貢献型ショッピングサイト「KURADASHI」を運営する株式会社クラダシは、2022年2月14日より子ども食堂支援DX化に向けて実証実験を開始した。企業が保有している災害発生時用の備蓄食品の情報のデータと、大阪府内の子ども食堂とのマッチングを行う。

慶應義塾大学SFC研究所は内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「スマートバイオ産業・農業基盤技術」において「スマートフードチェーンプラットフォーム(SFP)」の構築に参画している。今回、その社会実装にクラダシが提案する「こども食堂への安定的食材提供の仕組み作りと実証」が採択され、実証実験が実現した。

子ども食堂への食品提供企業として積水ハウス株式会社と株式会社三井住友銀行が、配送担当企業として、東京・日本交通株式会社が参画。積水ハウスと三井住友銀行が保有している、入れ替えのタイミングを迎える災害用備蓄品の食品情報をSFPに登録しデータを連携することで、大阪府内の5つの子ども食堂と食品のマッチングを行う。マッチングされた食品は、積水ハウスもしくは三井住友銀行の大阪府周辺の保管先から、東京・日本交通のタクシーやトラックなどを活用し、各子ども食堂へと提供される。

NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの調査によると、全国に6,000箇所以上ある子ども食堂では、「食材などの不足」を課題に感じており、食材や資金などの支援を求めている。一方、クラダシには、子ども食堂へ余剰食品を提供したいという企業から、どの団体や施設に提供すればいいか分からない、マッチングして欲しいといった声が寄せられている。このような背景から、SFPとのデータ連携を活用することにより、マッチングに係る課題を解決し、余剰食品を提供したい企業と連携することで、子ども食堂への円滑かつ迅速で安定的な食品提供を実現することを目的とした実証実験を行うことになった。実施予定期間は2022年2月14日~3月10日。

※スマートフードチェーンプラットフォーム(SFP)とは、農産物を中心に、生産、加工、流通という供給側の視点に加え、消費側からの視点と資源循環や研究開発など食のサプライチェーンにおける「動脈」と「静脈」を循環化した連関モデル。2023年4月以降の正式サービス開始を予定しており、食品メーカーや流通事業者などからの食品の入出荷情報が常時流れる中で余剰となり、提供可能となる食品が発生した場合に、入出荷や在庫のデータベースからすぐに連携でき、円滑かつ迅速な食品情報の連携・提供が可能となるよう取組みを進める。

参考:【慶應義塾大学SFC研究所】子ども食堂に注目した、余剰食材利活用の取り組みにおけるスマートフードチェーンプラットフォームとのデータ(API)連携 ~株式会社クラダシと、子ども食堂との連携に向けた実証実験を実施します~(PDF)

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