身の回りと世界は思ったよりも違うもの|ジル・ピゾン『地図とデータで見る人口の世界ハンドブック』

自分をリープアップしてくれる本を、ライター目線で1冊ずつ紹介する「フクリパブックス」。フクリパを運営する”中の人”の1人、プロデューサー・白石洋一さんが、気になる一冊を選んでくれました。

3年前にベトナムに旅行した際、まわりに子連れの家族が多いことに驚きました。日本にいるときと比べて、子連れの家族の数がとにかく圧倒的に多く、あたりまえに小さな子どもが走り回っています。
2020年時点での平均年齢をみると、ベトナムは31歳、それに比べて日本は48.4歳。その差は17.4歳、ほぼ一世代分違うみたいです。
その違いを肌で感じたことはとても印象的でした。

最近のニュースで話題になっていたように国内出生数はコロナ禍もあいまって大幅減となっています。
しかしながら、世界全体をみると、2019年時点で人口は77億人、2050年にはさらに増えて100億人に迫ると言われており、人口増加はしばらく続きそう。
日本とはまったく異なる傾向になっているんですね。
このように自分の身の回りと世界は思ったよりも違います。その違い知ることって大切だと思うのです。

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本作「地図とデータで見る人口の世界ハンドブック」は現在の状況を世界の人口史のなかで統計調査の結果をもとに検証しています。そして、これから先の30〜50年、僕らがぎりぎり生きていて、我が子が世代の中心として生きていくであろう時代の姿を示してくれます。

著者はフランスの遺伝学者、人口統計学者であるジル・ピゾン氏。

日本国内のテレビ、新聞及びネットニュース等とは異なるグローバルで、調査にきちんと基づいた内容で語られることは新鮮であり、視野を広げてくるのは間違いありません。
ちなみに、日本はあまり登場しません。唯一高齢化の話題くらいです。

個人的にはワクチン接種率、高齢化の世界的な広がり、移民はどこからどこへと流れているのか、死亡率と出生率の男女差、出産回避方法の国ごとの違いなどは自分の知っている感覚と大きく違って、驚きでした。

問題の適切な情報を知ることで、その解決に向けて考えることができます。
普段の仕事はもちろん、子育て、地域社会などを考えていく上でも、きっと役に立つはずです。
自分の接している情報とのズレを確認し、認識を更新するきっかけにぜひ。

原書房さんのこのシリーズ「地図とデータで見るハンドブック」は現時点で12冊発行されています。
国境問題、人権、軍事戦略、水、エネルギー、農業、SDGs、気象、移民、性、女性といったテーマで、どれもおもしろそう。

コンプリート目指してこれからも読んでいこうと思います。

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地図とデータで見る人口の世界ハンドブック
ジル・ピゾン (著), 吉田 春美 (翻訳)
出版社 ‏ : ‎原書房 (2021/8/25)
単行本 ‏ : ‎ 160ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
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