「食・茶・遊」の三つを5千円で楽しめる期間限定のオンラインチケット「横浜中華街 楽楽 ―Fun!Fan!―(ファンファン)」が販売されている。お得なメニューなどを提供し、中華街を回遊することで新たな魅力に出合ってもらうのが狙いだ。(共同通信=中村彰)
「横浜中華街で旅気分 特別な体験を楽しんでファンになろう」がコンセプト。近年、訪問客の滞在時間、訪問箇所、夜間の客入りの減少が目立つため、再び活性化させるのが目的。楽しんで(Fun)ファン(Fan)になってもらいたいとの思いを込めてイベント名を付けた。
スマートフォンのオンラインで購入した電子チケットは「食」「茶」「遊」の3枚セット。計約70の店舗で使うことができる。
「食」のチケットは北京、上海、広東、四川の四大料理のほか、福建、湖南、香港、台湾の料理を得意とする店を網羅。小籠包や、海鮮、薬膳の専門店も含まれる。
「茶」のチケットでは、各種の中国茶やスイーツはもちろん、チャーシューメロンパン、タピオカを楽しめるカフェもある。
「遊」のチケットを使える店はバラエティー豊か。チャイナ服レンタル、占い、足裏などのマッサージ、「アートリックミュージアム」入館など体験系のほか、「鬼滅の刃」などのアニメグッズ、中華まんセット、お茶とお茶菓子の福袋、はちみつ、中華雑貨、アクセサリー、ボードゲーム、開運グッズといった多彩なお土産と交換することができる。
実際に使ってみた。
まずは「食」。中華街大通りから一本脇に入った福建と広東料理の店「清香園」を選んだ。
肉の冷菜、ふかひれスープ、北京ダック、三色の点心に加え、主菜はエビのチリソース、鶏肉とカシューナッツ炒め。五目チャーハンとデザートには杏仁(あんにん)豆腐が付いている。
ふかひれは繊維の食感にあふれ、北京ダックは揚げパンにはさんでハンバーガーのようにいただく。
点心のうちシューマイはトッピングの魚卵がプリプリ。大ぶりのエビのチリソースはピリ辛で後を引く。デザートまで平らげたが結構な量があり満腹になった。
腹ごなしをかねて「遊」のチケットが使える「横濱媽祖廟(まそびょう)」まで街並みを眺めながら歩く。媽祖とは、航海の安全や安産、縁結び、学問などに御利益があるとされる道教の女神だ。
女性スタッフに50センチもあろうかという長い線香を手渡され、参拝方法を教えてもらう。五つの香炉に礼をし、1本ずつ線香を供えていく。
絵馬も1枚。願い事を記入して奉納するのは、日本の神社と変わらない。ひざまずいての参拝の後、帰りがけに「開運」「良縁」「合格」などから選んだお守りを1点いただける。
「茶」のチケットでは「萬來行カフェ」へ。各種のお茶とスイーツをチョイスできる。ジャスミン茶と亀ゼリーを選ぶ。
中華街大通りに面しているのだが、2階のカフェは落ち着いたたたずまい。香り高いお茶と甘さ控えめの亀ゼリーで、ゆったりとした時間を過ごすことができた。
中身が見えない福袋的なお土産が付く。選んだ袋には乾燥タピオカ、刺しゅうを施した巾着などが入っていた。
3月13日まで開催。