未来託す三浦伝統の大漁旗 商議所青年部、地元中学生と共同制作 生徒デザイン、3校に寄贈へ

黙々と染め付け作業をこなす三浦商工会議所青年部のメンバー

 三浦商工会議所青年部(30人)が、神奈川県三浦市内の3市立中学校に贈る大漁旗の制作に取り組んでいる。創立40周年記念事業として各校の生徒たちにデザインを募集。「未来を担う若者たちを元気づけたい」と張り切っている。

 航海の安全と大漁を祈願する大漁旗は、漁業の盛んな三浦市の代表的な伝統工芸品。未来の地元商工業の礎となる若い世代の活躍を期待して、地元の中学生たちと共同で制作することになった。

 デザインは三崎、南下浦、初声中の3校に依頼し、「三崎の大漁旗」を手掛ける三富染物店7代目で同部の三冨由貴会長(42)が下絵や縁を作るための「のり置き」といった下準備を担当した。

 1月29日には三冨会長や事業担当委員会の三本成吾委員長(41)らメンバー約10人が旧三崎中体育館に集まり、南下浦中の大漁旗の染め付けを行った。当初は生徒たちも参加予定だったが、新型コロナウイルスの感染防止のため取りやめになった。

 大漁旗は縦1.1メートル、横1.8メートル。荒波の中でイカが飛び上がる躍動感あふれるデザインで、感染対策を取りながら1時間半かけて丁寧にブルーやオレンジなどを染め付けた。今後はのりを落として乾燥させ、仕上げる。残りの2校の大漁旗も2月中には全ての工程を終える予定という。

 三本委員長は「生徒たちが参加できなかったのは残念だが、卒業式や体育祭などの学校行事で掲げて受け継いでもらえれば」と話していた。

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