すりばちをかぶる!?謎の伝統行事『すりばちやいと』で健康と学業成就祈願をしてみた【鯖江市】

※こちらの記事は以前取材・公開したものを再編集したものです。

2015年3月2日。
私はこんなことをしていました。

すりばちみたいな謎の物体をかぶってます…。

後ろにお坊さんのような方がいらっしゃいますが、ふざけているわけでも、怪しい宗教に目覚めたわけでもありません。

実はこれ、鯖江市で毎年行われる由緒ある伝統行事なんです。
その名も『すりばちやいと』。
すりばちのようなものをかぶるから『すりばちやいと』。

衝撃的なビジュアルですが、とってもご利益があるようなので、どんな行事なのか詳しく紹介します!

すりばちをかぶる不思議な伝統行事!『すりばちやいと』

『すりばちやいと』は、元三大師というお坊さんが悪病に苦しむ庶民を助けようと始めた加持秘法で、現在は鯖江市の中道院というお寺で、毎年2/20と3/2に行われる伝統行事となっています。

かぶっっているのは、すりばちではなく護摩炉(護摩木をたく火炉のこと)で、頭痛に効果がある、頭がよくなるといったご利益があると言われているんだとか。

すりばちやいとを実際に体験してみました!

由緒ある伝統行事と言われてもやっぱり謎すぎるので、実際に行ってみることに!
すりばちやいとは朝7時半頃から始まっているとのことだったので、8時前に行ってみましたが、お寺の境内にはすでに長蛇の列が。

まずは受付へ。
500円を払うと、紙に名前を書いてもらえます。

「交通安全諸病平癒」「学業増進諸願成就」の文字にご利益を期待しつつ、行列の最後尾へ。
あとはひたすら並ぶだけ。

すりばちやいとは学業成就のご利益もあることから、受験するお孫さんのために、代わりに来ているおじいちゃんおばあちゃんも多いようでした。

本人が来られない場合は人数分の紙にそれぞれ名前を書いて、頭ではなく、紙と写真を護摩炉の中に入れてお経を唱えてもらいます。
私の前のおばあちゃんは5人分くらい拝んでもらっていたので、あと1人なのになかなか進まず…。
アイドルの握手会みたいでした(笑)

そんなこんなでいよいよ私の番!
護摩炉の中に頭を入れるだけなので難しくもなんともないんですが、妙に緊張。
近くで見ると、あのすりばち(護摩炉)には、お灸のようなものが置いてあり、思ったよりも重々しい雰囲気を感じました。

頭を入れるとめちゃくちゃお経を唱えられます。
ちょっと恥ずかしいかも…。

終わった後は、なんとなくスッキリしたかな?ご利益がありそうかも!
という気持ちになったような、ならなかったような…。

文化財もある!中道院を見学!

その後、せっかくなので中道院の中をぐるっと回ってみました。
本堂では、地元のお母さんたちによるバザーも行われていました。

この本堂には、賓頭盧(びんずる)や平安時代後期に作られた、鯖江市の指定文化財にもなっている『木造阿弥陀如来立像』があるので、解放されているこの日は見学にもってこい。

賓頭盧は釈迦の弟子の一人で、「なで仏」とも言われ、撫でるとその場所の痛みが和らぐんだとか。
常時5〜6人に囲まれて撫で回されている賓頭盧さん、ちょっとお疲れのご様子でした…。

すりばちやいとだけじゃない!小浜のすり鉢くぐりとは?

実は同じ福井県内の小浜市では、『すり鉢くぐり』という行事が行われているそうです。
こちらは毎年6月30日の夜から7月1日にかけて、法雲寺というお寺で行われます。

30日には徹夜でお経が唱えられ、1日の午前4時からは伏せたすりばちの底でもぐさを焚き、その下を参拝者がくぐるというもの。

すり鉢くぐりでは、中風、難病除けを願うそうです。
こちらにも行ってみては?

すりばちやいとは、お寺の外に屋台が出るほど賑わう行事です。
お祭り感覚で気軽に足を運んでみてもいいかもしれません。
自分や家族の健康や学業成就を願いたい方は、ぜひ行ってみてください!

アクセス情報などは以下でご紹介しています。

© Dearふくい