スキー場で救助訓練 雪中遭難備え合同で 妙高警察署・頸南消防署

 妙高警察署と頸南消防署による「冬季合同山岳遭難救助訓練」が21日、妙高市関川の池ノ平温泉アルペンブリックスキー場で開かれた。

雪中の遭難者を掘り出し。呼吸確保や捜索地点の上に大人数で立たないなど、実際の救助活動に則して行った

 昨冬はバックカントリーなどに関連した遭難が多発、今冬もすでに複数件が発生していることを受け、捜索から救助までより実際の現場に近い状況で学び、実践した。

 妙高警察署によると、昨年1年間に管内で発生した山岳遭難事案は15件、遭難者は20人(死者2人、行方不明1人、けがなし15人)で、前年より8件、11人、それぞれ増加している。特に近年は、コース外を滑るバックカントリーや、管理区域外を滑走するなどして、遭難したり雪に埋まって窒息したりする事案が増えている。

 訓練には計10人が参加。雪中での捜索活動では、バックカントリーや冬山登山で装着が義務付けられている発信器「ビーコン」や、携帯電話の位置情報を基に要救助者を探し出す方法を実践。方角や高低差で変わるビーコンの音を頼りに探し、ゾンデ棒を雪に刺してどこにいるか確認。協力して雪中からリュックサックを掘り出した。

 妙高警察署の小林敬治副署長は「雪中での遭難は、バックカントリーや管理区域外を勝手に滑ることで発生することが多い。これらの行為を禁止しているスキー場も多いので、ルールをきちんと守ること、事前の届け出などをしっかりしてほしい」と呼び掛けた。

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