新庄監督の思いを体現 報道陣に「BIG BOSSランチ」を振る舞う店主のこだわり

「パナマ原人」店長の親泊圭吾さん【写真:本人提供】

「パナマ原人」がキッチンカーで報道陣に昼食を振る舞っている

日本ハムの春季キャンプが行われているタピックスタジアム名護。昼食時、お腹が空いてきたな……と思い始めた頃に球団広報がありがたい声を掛けてくれる。「ビッグボスランチありますので、皆さんどうぞ」。球場一塁側にあるビッグボスカラーの真っ赤なキッチンカーでは、日本ハムを取材する報道陣へのランチが振る舞われる。

【実際のBIG BOSSランチ】猪汁とじゅーしー、サーターアンダギーと沖縄尽くしのメニュー

新庄剛志監督の現役時代、かつての名護球場では報道陣に昼食を提供していた。今年チームに帰ってきて、球場が新しくなり昼食の提供がなくなっていることを知った。“復活”を願ったビッグボスの思いを、関係者と球団サイドが一緒になって実現。「BIG BOSSランチ」が誕生した。

料理を提供しているのは、うるま市と沖縄市に計3店舗を構える「パナマ原人」。普段はバーベキューをメーンとしている店だが、今回のランチメニュー考案には独自のこだわりを込めた。店長の親泊圭吾さんは「沖縄らしいジャンルと、語呂のいいもので考えました」と説明した。

タコライスや沖縄そば、ちゃんぷるーなどは「県外から来るメディアの方が多いと思うので、沖縄の味を食べてほしいと思いました」と親泊さん。コロナ禍で外食も制限される中、沖縄らしさを味わうことができる。

「パナマ原人」店長の親泊圭吾さんと真っ赤なキッチンカー【写真:町田利衣】

キャンプ初日は「縁起の良いこと」でカレー

またキャンプ初日だった2月1日はカレーを選んだ。これは沖縄の方言で「カリー」が「縁起の良いこと」を指すからだ。1か月に及ぶ長丁場の始まりに、良いキャンプとなるように願いを込めた。最終クールにはハムカツを予定しているそうで「日本ハムが勝つ、というゲン担ぎをしようと思っています」と明かす。ほかにも今年は寒い日が多いため、気温を見ながら沖縄そばや猪汁といった体が温まるメニューを入れるなど工夫を凝らしている。

話題を独占するビッグボスについて「モデルみたいで格好いいですね。新庄さんは見せ方がうまい。見てくれる人がいないとファンはつかないから、そこが凄いなと思います」と印象を語る親泊さん。自身も野球経験者で広島ファンだったが「今年は日本ハムを応援します」と笑った。

実は音楽関係者のファンも多い店だったが、今キャンプを機に“ビッグボス効果”があった。店を訪れるお客さんは「2割増しくらい」だそうで、親泊さんは「気になっていたけど来たことがなかったという地元の人たちが増えました。お店も少し知ってもらえたのかなと思う」と反響の大きさを実感している。

奇想天外なアイデアと行動力で球界の話題を独占しているビッグボス。そのアイデアに様々な人の思いが重なり、名護キャンプに温かいひと時が加わっている。

【実際のBIG BOSSランチ】猪汁とじゅーしー、サーターアンダギーと沖縄尽くしのメニュー

【実際のBIG BOSSランチ】猪汁とじゅーしー、サーターアンダギーと沖縄尽くしのメニュー signature

(町田利衣 / Rie Machida)

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