子どもの親は前夫? 現夫? 明治時代の民法で定められた「嫡出推定」改正へ

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。2月15日(火)放送の「ニュースFLASH」のコーナーでは、民法制定以来初の改正を目指す“嫡出推定”について議論しました。

◆明治時代から変わらぬ民法の嫡出推定

子どもの父親を決める民法の「嫡出推定」をめぐり、法制審議会は女性が出産時点で再婚していれば、例外として現在の夫の子どもとするとした民法改正の要綱を古川法務大臣に答申。嫡出推定の見直しは、明治時代の民法制定以来初めてで、政府は2022年度以降の法案提出を目指します。

そもそも「嫡出推定」とは、婚姻中や離婚後に生まれた子どもについて、法律上、誰が父親か決めるためのもの。また、現在は離婚から100日間は女性のみ再婚禁止期間として定められています。

現状、離婚から300日以内は女性が再婚していたとしても子どもは前夫の子と認められることになっていますが、見直し案では離婚後300日以内に再婚をしていれば、それ以降は現在の夫の子として認めることに。仮に再婚しなかった場合は、これまでと同じ、300日以内は前夫の子どもとして認められます。

法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは改正に賛成。というのも、現在はDNA鑑定などの技術も進化し、誰の子どもなのかがわかるから。

さらには「嫡出推定は、法的な推定を一旦するということで、その後に覆すこともできる」と嫡出推定の余白を示しつつ、「(嫡出推定で)争いになってしまうのは、基本的に両親の関係性が悪くなってしまったときで、この推定の及ぼすべきところは子どもの保護の観点からすると争いがなさそうなところで推定を及ぼしておいたほうがいいということ。今の夫の子どもだと推定しておくと争いになりにくく、関係も良好なまま進められる」と嫡出推定の是非について言及。

一方、嫡出推定と並行して語られる女性の再婚禁止期間に関して、キャスターの田中陽南は「DNA鑑定などがない時代は混乱を避けるために必要だったのかもしれないが、今は必要ないのでは」と率直な感想を語ります。

以前からこの問題を注視してきた食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さんは、「技術の発展とともに明治から変わらなかったものが変わっていく、それはどんどん変わるべきだし、嫡出推定の民法が変わるというところから、今までは気づいていなかったり、不便だと思っていなかったけど、変更したほうがより幸せに暮らせる人がたくさんいることが見直されていけば」と今後より暮らしやすく変化することに期待していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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