テーマパーク退社直後にコロナ禍で無職に “浪人”経て掴んだDeNAチア「diana」

「diana」オーディションを受けるSakiさん(左)とRenさん【写真:荒川祐史】

Renさんは家や公園で練習を積んでオーディションに合格

DeNAのオフィシャルパフォーマンスチーム「diana(ディアーナ)」の今季メンバーが1月24日に発表された。約200人の応募者から選ばれた19人のうち、8人が新加入。難関のオーディションを勝ち抜いたメンバーの中には、異色の経歴や“浪人”を経て道を切り開いた人もいる。

【動画】妖艶なダンスを披露する参加者たち… DeNA「diana」のオーディション実際の映像

新メンバーのひとり、Renさんの小さい頃から将来の夢は「踊りを職業にすること」だった。高校、専門学校でダンスを専攻し、地方のテーマパークに合格。夢だったダンサーデビューを果たした。ただ、職業にすると、技術不足を痛感する日々が続いた。

大都市とは異なり、地方ではスタジオやレッスンは限られてくる。「自分のスキルを高めたい。戻ってレッスンをたくさん受けようと……」。一念発起してテーマパークを退社したが、その直後に新型コロナウイルスの感染が拡大。スタジオは閉鎖され、レッスンはほとんど中止になった。

落ち込んだRenさんだったが、気が付けばダンスの動画を見る日々。「気分が落ち込んでいた時に支えられていたのはダンスだったって再確認しました」。もう一度ダンサーとして人に元気を与えられるようになりたいとの思いで家や近くの公園で練習を積み、オーディションに合格した。

Sakiさんはアパレル店員を経て、夢だった球団チアへ

Sakiさんも“浪人”の末、合格を勝ち取ったメンバーのひとり。小さい頃、兄の影響で見たバスケットボールの試合でチアガールに憧れた。小学4年からジャズをはじめ、高校卒業後、ダンスの専門学校に。様々なオーディションを受けたが、コロナ禍の影響もあり合格には至らなかったという。

卒業後は一度、アパレルショップでアルバイトとして勤務。毎日練習ができる専門学校とは違い、自ら練習場所やオーディションを探さなければならない日々だった。難しさも感じたが、改めてダンスが踊れることの魅力に気付いた。「常に踊れる環境があるわけではないんだなって」。1年間は「オーディションやレッスンをたくさん受ける年」と心に決め、練習に打ち込んだ。

そんな時にdianaのオーディションの話があった。専門学校の頃からYouTubeやホームページでパフォーマンスを見てきた。元々チアガールに憧れて始めたダンス。「女性らしい踊りが素敵だった」とオーディションを受けた。

本来の希望ではなかったアパレルの仕事だったが、1年間の経験が自分の力になった。「人見知りだったのですが、服を売る時の話し方や伝え方などは、オーディションでも生きました」。集団で踊るため、コミュニケーションも大事な能力のひとつ。面接でも自分の思いやスキルを伝えることができた。

オーディション当日の午後9時までに、合格者には電話が来ることになっていた。Sakiさんが電話を受けたのは午後8時59分。「凄くびっくりした」と語ったがその分、喜びもひとしおだった。

毎年、メンバーが入れ替わり新たな一面を見せるdiana。新メンバーの中には遠回りして夢を掴んだ人もいる。今度はハマスタで観客に笑顔を届けていく。

【動画】妖艶なダンスを披露する参加者たち… DeNA「diana」のオーディション実際の映像

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(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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