全国の産地を巡る、お米のスペシャリストが太鼓判!福島県会津のお米が味わえる店

初めまして。東京の原宿にある米屋、小池精米店・三代目の小池理雄(ただお)と申します。

肩書にあるように私で三代目です。創業が1930年ですから、今年で91年目ですね。

原宿と言っても広いのですが、弊社は神宮前6丁目…昔は「穏田(おんでん)」と呼ばれた地域にあります。

明治大学卒業後、出版社に入社し編集者として勤務。その後、社会保険労務士の資格を取得しコンサルタントとして充実した日々を過ごしていましたが、父親が倒れたことをきっかけに小池精米店を継承。「五ツ星お米マイスター」「東京米スター匠」の資格を取得し、現在に至ります。

「楽しくなければお米ではない!」を合言葉に、お米の魅力を伝えるべく、イベント開催やワークショップ、講演、雑誌連載、書籍執筆等を精力的にこなしています。テレビやラジオ、新聞やネット等のメディア出演も多数あります。

精米や配達といった「米屋らしい仕事」以外のこういった活動を通じ、「お米の新しいあり方」を常に模索し続けています。

初夏から初秋にかけて全国の産地を巡る

毎年、初夏から初秋にかけて全国の産地を巡ります。その時期はちょうど生産者が田植えを終えており、稲刈り時期まで少し一息つけるタイミングだからです。

産地見学の目的は…田んぼの様子を確認したり、産地周辺の風景を感じたり、現地で生産者と意見交換をしたりして、お米の味だけではなくお米回りの情報を「仕入れる」ことにあります。

そういった情報を「美味しいお米」と一緒に消費者にお届けすることにより、お客さんにお米の産地を身近に感じてもらうことを心掛けています。

私は「お米をツールにして産地と消費者の懸け橋になること」…それこそが都内の米屋の存在意義だと思っているからです。

今回はそのなかでも特に印象に深い、福島県会津若松のお米について簡単にご紹介いたします。

【魚沼に引けを取らない産地「福島県会津」】

お米の産地と言えば東北地方です。

「日本の穀倉地帯」と呼ばれるこの地域では、日本全体の生産量の約4分の1を占めます。

そしてその東北地方でもさらに有名な産地と言えば福島県会津地方。この地で収穫されるコシヒカリは、新潟県魚沼産と並んで高評価を得ています。

稲作の観点から言うと、周囲を山に囲まれた会津盆地は一日の寒暖の差が大きく、山からは豊かな水流が流れ込む、まさに稲作に適した地域です。

特に夏場、一日の寒暖の差が大きいと稲に好影響を与えます。またその水のきれいなことは、この地域が日本有数の日本酒の産地であることからも分かります。ちなみに喜多方を中心としたラーメン文化があるのも、この水がきれいなことに由来します。

会津地方は昔から交通の要所として栄えており、江戸時代には譜代大名が治めていた地域です。また戊辰戦争で戦場になったこともあり、歴史的な見どころが多い地域であるため、観光地として十分に楽しめる地域です。

会津地方は昔から稲作が盛んで、またそのレベルも高く「會津農書」という今でいう「稲作マニュアル書」が江戸時代に刊行されたほどです。この書籍のおかげで会津地方の農業技術は体系化され今に至っているのです。

丁寧に栽培されたコシヒカリ「AiZ’S-RiCE」

いま会津若松市では「會津農書」で紹介された「酒粕を肥料に使った農法」を活用し、より丁寧に栽培されたコシヒカリを「AiZ’S-RiCE」としてブランディングしています。

会津のコシヒカリ自体は歴史もあり、都内に十分浸透しているにも関わらずさらにその上を行くお米として都内米屋からは高評価を得ています。会津産のコシヒカリは弾力のある食感と舌の深いところに届くうま味が特徴です。

「AiZ’S-RiCE」はそれらの特徴に加えて口の中にいつまでも残る甘みの余韻が特筆ものなのです。

そしてこの「AiZ’S-RiCE」を食べることができるレストランを二つご紹介します。

一つは恵比寿にある『ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション』(恵比寿ガーデンプレイス内)です。世界的に有名シェフとして知られているジョエル・ロブションの名前を冠した店舗で、世界的に権威のある食のガイドブックにも創刊から13年連続で掲載されています。

ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション

〒153-0062 東京都目黒区三田1丁目13−1 恵比寿ガーデンプレイス内

そしてもう一店舗は『銀座アルジェント』。

ウエディング事業も手掛けており、新郎新婦の思い入れのある食材を使用したオリジナル料理を提供するなど、人気の高い高級フレンチレストランです。

アルジェント

〒104-0061 東京都中央区銀座3丁目3−1 ZOE銀座 8F

もちろんご自宅で「AiZS-RiCE」の味を確かめるのも良いでしょう。

都内取り扱い米屋は限られますが、こちらのサイトをご参考にぜひ近くのお店に立ち寄ってみてください。

https://aizs-rice.com/store/

もちろん通信販売を行っているお店もあります。

最近のお米はどれも美味しいお米ばかり。

しかし私たち米屋にしてみれば、それでも大きな味の違いがそこにはあります。

日本人は昔から「美味しいお米」が好きですが、それは品種別の違いまでこだわった「美味しさ」ではありませんでした。

いまは各地に色々な品種があり、多様な味があります。

その違いを楽しむことができる現代は、まさに「お米新時代」なのです。

皆さんもぜひ、旅先でその地域ならではのお米を試してみてください。きっと新しい発見がありますよ。

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*この記事は2021年12月時点の情報を基に作成しています。

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ライター:小池理雄

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