更迭の審議官「甘利氏と一緒に登壇」 野党が責任追及、与党「訳分からない」

 国家安全保障局担当内閣審議官・藤井敏彦氏が更迭された問題を巡り、野党は21日の衆院予算委員会で、自民党の甘利明前幹事長(比例南関東)が同氏と一緒に講演していた事実を挙げ与党の責任に言及した。甘利氏は立法サイドで経済安全保障政策の指南役を担っている。

 立憲民主党の大串博志氏は「民間利害当事者との接触で経済安保推進法案の内容や国家機密が審議官から漏れていたのではないか」と松野博一官房長官をただした。その過程で藤井氏の過去の講演活動を引き、「自民党幹部役職(行革推進本部本部長)にあった甘利氏と一緒に民間団体主催のイベントで登壇していたこともある」と与党との関係を強調した。

 野党席から「(与党にも)責任あるぞ」とのやじ。突然の甘利氏の持ち出しに自民席からは「訳が分からない」と反論の声が上がった。

 松野長官は「今後判明した事実に基づき適切に対処していきたい」と従来の答弁を繰り返し、「特定の個人の一存で法案内容がゆがめられる余地はない」などと指摘を突っぱねた。

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