岸田内閣は若年層からの支持に不安?2022年2月選挙ドットコム・JX通信社合同調査(米重克洋)

選挙ドットコムとJX通信社は、2月12・13日の両日、定例の合同調査を行った。このうち、電話調査では、岸田文雄内閣の支持率は38.6%(前月比マイナス10.6pt)、不支持率は27.5%(同プラス9.9pt)だった。主に10代から50代までの若い世代の回答が多いネット調査では、支持率は17.7%(同マイナス6.1pt)、不支持率は41.8%(同プラス11.7pt)だった。

若年層で低い内閣支持率と政権のコロナ対応評価

電話調査での内閣支持率と不支持率は昨年12月に行った調査(支持38.6%、不支持28.0%)と同水準で、同様の傾向はNHKなど各社の調査でも同様だ。安倍内閣と菅内閣で見られた、新型コロナの感染拡大に伴って支持率が下落する傾向は、岸田政権になっても続いているように見える。

実際、新型コロナをめぐる岸田政権への対応への評価は下がっている。新型コロナに対する政権の対応への評価を聞いた質問では、「評価する」が17.1%(前月比マイナス19.2pt)「評価しない」が39.5%(同プラス20.2pt)となり、評価しない層が大きく増加している。

ネット調査で見ても、12月調査(支持24.5%、不支持35.6%)と比べると約6pt支持が少ない。年齢層ごとの内閣支持率をみると、電話調査・ネット調査ともに比較的高齢の層で支持が最も高く、若くなるにつれて支持が少なくなる傾向が見られる。1月からの下落幅も、60代で8pt、40代で12pt、30代以下で約20ptと、年齢層による差が顕著だ。政府の新型コロナ対応についても同様の傾向が見られる。

一方、政党支持率で見ると与党・自民党はなお盤石だ。立憲民主党と日本維新の会が引き続き支持率「野党第一党」争いを続けるなか、自民党は両党の3倍近い支持率を維持している。

立憲と維新の野党第一党争いでは、依然として維新に勢いが見られる。今年夏の参院選での比例投票先を聞いた質問では、立憲が13.9%(前月比マイナス3.8pt)だったのに対して、維新が19.2%(同プラス2.5pt)と、ほぼ並んでいた先月と比べ、差が大きく開いた。

比例投票先を無党派層に絞って見ると、立憲が11.1%(同マイナス2.3pt)に対し、維新が19.7%(同プラス2.8pt)とより差が広がった。維新は無党派層の投票意向では自民(16.9%、同マイナス2.4pt)をも上回っている。

選挙協力は「行う必要ない」?

野党勢力の中で維新が存在感を示すなか、立憲民主党と共産党を中心とした「野党共闘」が参院選でも継続されるかどうかに注目が集まっている。

今回の調査では、立憲と共産が選挙協力を行うべきかどうかについても聞いた。この結果「できるだけ選挙協力を進めた方がよい」としたのは全体の約2割、「選挙協力を行う必要はない」としたのは約4割だった。立憲民主党支持層でも約3割は共産党との選挙協力に否定的で、この比率は無党派層とほとんど変わらない。

一方「相互推薦」を行わない方向で調整が進められている自民党と公明党の選挙協力については、全体の約1割が「相互に推薦して協力するべき」と答えたほか、約25%が「相互に推薦する必要はないが選挙協力をするべき」、約4割が「選挙協力を行う必要はない」とした。ただ、自民・公明両党の支持層で選挙協力そのものに否定的なのは1〜2割にとどまっている。

参院選では、全国に32ある一人区が勝敗を大きく左右する。選挙まで半年を切り、与党、野党それぞれの選挙協力のあり方が問われている。

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