シェラトンにエコマーク 黒松林の保護・育成評価

エコマーク認定を取得したシェラトン・グランデ・オーシャンリゾート(フェニックスリゾート提供)

 環境に配慮した宿泊施設として、フェニックスリゾート(宮崎市、片桐孝一社長)が運営する「シェラトン・グランデ・オーシャンリゾート」がエコマーク認定を取得した。「自然との共生」を掲げ、黒松林の保護など幅広い活動に注力してきた同社。第三者機関からのお墨付きを得て、さらにエコな活動に力を入れたい考えだ。
 エコマークは公益財団法人「日本環境協会」が審査・認定する環境ラベル。これまでに帝国ホテル東京(東京都千代田区)や城山ホテル鹿児島(鹿児島市)などが取得している。
 シェラトンは「これまで行ってきた取り組みをお客さまに伝えたい」と昨年11月に申請。省エネや節水など必須8項目をクリアしたのはもちろん、選択項目では認定基準25ポイントを大きく上回る42ポイントを獲得した。12月の現地視察でも「取り組みが多岐にわたる」と称賛されたという。
 特に評価が高かったのは敷地内(約254万平方メートル)に広がる黒松林の保護・育成。木々の間に木炭を埋めて菌のすみかを作ることで樹勢を活発化させる土壌改良や下草刈りなど、松にとって快適な空間を維持する環境整備が成果を上げている。アカウミガメの産卵シーズン前にはビーチクリーン活動も展開する。
 このほか、浄化した汚水のゴルフ場散水への利用や館内照明のLED化など温室効果ガスの削減にも積極的。連泊の際にリネン交換の辞退ができる宿泊客参加型の取り組みも好評だ。
 審査では活動を証明する資料を随時用意する必要があり、担当したホテル事業企画室の村永直美さんは「各部署の仲間たちの知見と協力があってこそ取得できた」と笑顔。「審査の過程で次に取り組むべきことも見えてきた。認定をきっかけにスタッフの意識をさらに高めていきたい」と意欲を語る。

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