大和の次男殺害容疑 救急搬送時、既に体温低下 母親の通報内容と矛盾 神奈川県警が当時の状況捜査

神奈川県警本部

 神奈川県大和市の自宅で2019年、小学1年の次男を窒息させて殺害したとして母親が逮捕された事件で、自宅からの救急搬送時、次男に体温低下の兆候が表れていたことが22日、捜査関係者への取材で分かった。少なくとも死後1時間ほど経過していた可能性があるが、次男が意識をなくしてすぐに架電したと受け取れる母親の119番通報の内容と矛盾しており、県警が当時の状況を調べている。 

 殺人容疑で20日に逮捕されたのは母親(42)=同市西鶴間3丁目。19年8月6日の日中、自宅アパートで、同居する次男=当時(7)=の鼻と口をふさいで殺害した疑いが持たれている。県警によると、「何もしていない」と供述し、容疑を否認している。 

 捜査関係者や市によると、母親は同日午後2時55分ごろ「(次男が)突然、苦しみだした。息をしなくなった」との趣旨の内容で119番通報した。約5分後に救急隊が駆け付けたが、次男は心肺停止状態で体温も35度を下回っていた。室内環境や体格にもよるが、一般的に人間は死後、毎時0.5~1度ずつ体温が降下するとされている。 

 搬送時、自宅内にいたのは母親と次男の2人だけだった。司法解剖で、次男の死因は低酸素脳症と判明。後頭部には皮下出血の痕があり、あおむけ状態で鼻と口を強く押さえ付けられた可能性がある。 

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