復帰直前の沖縄〈50年前きょうの1面〉2月23日「302円台に/円高傾向依然続く」―琉球新報アーカイブから―

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。  
 
 1972年2月23日の琉球新報1面トップは、前日から続いて米中首脳会談の話題。「第2回ニクソン・周会談」「対立打開に真剣な討議続く/少人数で4時間」「並行して実務会談も/きょうも続行」との見出しで、キッシンジャー大統領補佐官らも同席して会談が続けられたと報じている。
 復帰に伴うドル―円切り替えで給与の換算レートをどうするかが労使の大きな焦点となっていることも反映してか、円ドル相場から「三〇二円台に/円高傾向依然続く」との相場記事も1面に3段の大きさで掲載している。
 台湾の尖閣列島の行政区域決定の報道を受けて琉球政府から日本政府に厳正な対応を求めた記事では、福田赳夫外相が「台湾政府に対しては、すでに外交ルートを通じて厳重に抗議した」との発言を引き、「国府に厳重に抗議/福田外相尖閣問題で語る」と伝えている。
 連日報道が続く、第4次防衛力整備計画(四次防)を先取りする形での新年度予算案を巡り国会が空転している件では「『政府修正』の幅・方法で難航/空転国会 与野党譲らず」との見出しで国会の動向を報じている。
 
 
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 琉球新報デジタルは沖縄の日本復帰から50年となる2022年1月から、1972年5月15日の日本復帰に向かう沖縄の様子を日々伝える当時の琉球新報紙面を、琉球新報アーカイブから転載して紹介していきます。

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