ロシアスポンサーに反発の動きも…シャルケが「忠誠」を誓う理由

ロシアがウクライナに軍事侵攻する可能性があり、世界がその進展を懸念している。この問題はサッカー界にも波及しつつある。

UEFAは今年5月にサンクトペテルブルクで行われる予定のCL決勝をロシア以外の国で開催することを検討し始めた。

ロシアの半国営企業「Gazprom」はUEFAチャンピオンズリーグのスポンサーを務めているが、それに対する反発も起きている。

欧州議会の何人かのメンバーはUEFA会長に充てた書面のなかで、「サンクトペテルブルクでCL決勝をするな」、「Gazpromにスポンサーをさせるな」、「状況を注視する段階は終わった。UEFAは行動を起こせ」と綴っているのだ。

Gazpromはいくつかのサッカークラブのメインスポンサーにもなっており、シャルケもそのひとつ。ただ、シャルケは同社との関係性をすぐに変えるつもりはない模様。

Gazpromは2006年からシャルケのスポンサーを務めてきたが、それに対する批判は大きくなっている。だが、22日にシャルケは同社への忠誠を誓う方針を示した。

「Gazpromは信頼できるパートナーであり、ドイツ連邦共和国とも関連があるガス供給会社」との声明を出したのだ。また、クラブが契約したのは、ドイツにある子会社の「Gazprom Germania」だとも主張している。

ただ、シャルケにとって、Gazpromは切っても切れない重要な存在になっているようだ。

『Tagesschau』によれば、シャルケで重役を務めたクレメンス・テニース氏によって、両者の関係は始まったというが、同氏はロシアのプーチン大統領の個人的友人であると自称する人物だそう。

当初、シャルケとGazpromとの契約は2022年に切れるはずだったが、2021年3月という早い段階で2025年まで契約を延長。当時のシャルケは2.4億ユーロ(312億円)の負債を抱えていた。ブンデスリーガからの降格によって、減収も確実になっており、同社との契約は財政的に重要だったのだ。

シャルケは同社から年間1000万ユーロ(13億円)のスポンサー料を得ているが、これは2部リーグでは異例の金額。また、ブンデスに再昇格した場合には、2000万ユーロ(26億円)に跳ね上がる可能性もあるという。

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なお、ドイツ政府は、ウクライナ問題を受けて、ドイツとロシアを結ぶパイプライン「Nord Stream 2」の承認手続きを一時的に停止している。

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