改ざん指示原因の自殺も政府は重大な過失なし?

 立憲民主党の稲富修二衆院議員は22日開かれた衆院本会議で「所得税法等の一部改正に関する法律案」に反対する討論で、反対理由の一つに、森友問題をめぐり公文書(決裁文書)の改ざんを指示され改ざん後に自殺した近畿財務局職員だった故赤木俊夫さんの遺族に対する真相究明を封じた姿勢や俊夫さんの遺族への賠償金1億700万円に関して、改ざんが自殺原因になったにも関わらず、指示した当時の理財局長に対して求償権を有しないとすることをあげた。

 稲富議員は「改ざんに関与させられ自死に追い込まれた赤木俊夫さんのご遺族が国を訴えていた裁判について、昨年12月、国は急遽『認諾』することを決め、裁判を終結させた。赤木さんが亡くなった経緯の真相解明に蓋をしたことは極めて遺憾で、政府の不誠実な態度に怒りを覚える」と訴えた。

また約1億700万円の損害賠償金の支払いに関して「改ざんを指示した人物ではなく、全額を国民に求めるとのことだ。このような税金の使い方は到底認められるものではない」と訴えた。

 稲富議員は「当然、国家賠償法に基づく求償権を行使すべきであると度々訴えているが、政府は改ざんを指示した人物に『重大な過失があるとは考えていない』ために、求償権を有するとは考えていないとの回答に終始している。赤木さんが改ざんの強要で自死に追い込まれたことは明白であり、これが『重大な過失』に当たらないのであれば、一体何が『重大な過失』に当たるのか。岸田内閣の公正観、公平観が疑われる。国民の信頼にかかわる根幹の問題。問題解決に向け、真摯に対応されることを強く求める」と国民の納得のいく対応を求めた。(編集担当:森高龍二)

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