アナタにピッタリなロードスターはどれ!? マツダ 新型ロードスターのオススメグレードは「990S」以外にもまだある!

軽量な特別仕様車「990S」が登場してラインナップが拡大したマツダ 新型ロードスター。アナタにぴったりなのはどのグレードか!? ロードスターをこよなく愛する自動車ライター 伊藤 梓がオススメの1台をご紹介する。

マツダ 新型ロードスター 2021年12月16日の一部改良で追加された特別仕様車/(左)「ロードスターRF VS Terracotta Selection」(6速AT)/(右)「ロードスター 990S」(6速MT)[2021年12月16日一部改良モデル/4代目・ND型] [Photo:和田 清志]

ロードスターらしい軽快な走りを純粋に楽しみたいアナタにおススメしたい最軽量の新グレード「990S」(6速MT:289万3000円)

特別仕様車「990S」(6速MT:289万3000円)をテストドライブする自動車ライター 伊藤 梓さん

前回は、新型ロードスターに追加された最軽量の特別仕様車「990S」(6速MT:289万3000円・価格は消費税込、以下同)について「とにかくロードスターらしい軽快な運転を楽しみたい!」「ピュアなスポーツカーが欲しい」という方には間違いない選択肢だとお伝えした。

しかしいっぽうで、ベーシックな「S」グレード(6速MT:262万3500円)をベースにしたモデルということもあり、走り以外の装備はとても簡素。7インチセンターモニターや純正ナビゲーションシステム(マツダコネクト)は付いていないし、エアコンも今どきマニュアル操作となる。

ロードスターファンとしては大興奮する要素しかない「990S」だが、あくまで走りに特化したシンプルなグレードだということも、あらかじめお知らせしておきたいところだ。

価格や装備のバランスが良く初心者にもオススメな「S スペシャルパッケージ」(284万200円~)

写真はS レザーパッケージをベースにした特別仕様車「Navy TOP」(6速MT:319万1100円/6速AT:330万6600円)

そんな訳で今回は、990SやS以外にも多数用意されている新型ロードスターのグレード選びについて、改めてご紹介することにしよう。990SやSのように簡素過ぎるモデルではなく「ある程度きちんとした装備が欲しい」という人なら、別の選択肢もあるのもロードスターの良いところだ。

中でも、ロードスターの軽快な走りの楽しさを味わうことができて、快適装備もしっかり付いている「S スペシャルパッケージ」(6速MT:284万200円/6速AT:295万5700円)は、価格や装備のバランスも取れていて、一番使いやすいモデルだと思う。特にロードスターに初めて触れる人などにはベストモデルかもしれない。

MT車の運転に不慣れなドライバーにとっては、カーナビやオート機能の数々がありがたい

7インチディスプレイはSや990Sには装備されない。写真のナビゲーション用SDカードPLUSは4万9500円のディーラーオプションとなる, 運転の楽しさをゆっくり満喫したいロードスターだからこそ、フルオートエアコンのサポートがありがたい
7インチディスプレイはSや990Sには装備されない。写真のナビゲーション用SDカードPLUSは4万9500円のディーラーオプションとなる, 運転の楽しさをゆっくり満喫したいロードスターだからこそ、フルオートエアコンのサポートがありがたい

クルマを手に入れて週末のドライブに出かけても、まだ運転に慣れていない人は、ナビゲーションシステムがないのはちょっと不便。エアコンやワイパー、ライトなどがマニュアル操作になると操作に気が行ってしまい「実は運転に集中できていない」というシーンが増える。さらに、ロードスターでは積極的に選択したいマニュアルトランスミッション(MT)車なら、尚更のことだ!

その点、ロードスターのS スペシャルパッケージはフルオートエアコンが標準装備化され、運転以外の余計な操作をクルマがやってくれる。7インチディスプレイも備わりスマートフォンとつなげばマップ表示も出来る。オプションのカーナビ(ナビゲーション用SDカードPLUS:4万9500円)も選択出来るようになるから、純粋にドライブを楽しむことができるのだ。

(※法規改正に伴いオートライトシステムはロードスター全車に標準装備化された)

背の低いロードスターだからこそ役立つ「自動防眩ルームミラー」

もうひとつ、見落とされがちなのが自動防眩ルームミラー。後続車からのヘッドランプの光を自動で軽減してくれる仕組みだ。こちらもS スペシャルパッケージ以上に標準装備される。

マツダ ロードスターはとても背の低いクルマなので、ルームミラー(バックミラー)に写る他車のヘッドライトがかなり眩しく感じる。この自動防眩ルームミラーのあるなしで“QOL(Quality of Life)”(運転だから“QOD”?)は変わってくる。これも購入時に気をつけたいポイントだ。

酸いも甘いも噛み分けた大人のドライバーには「S レザーパッケージ」や「ロードスターRF」「RS」をオススメしたい

マツダ 新型ロードスターRF「VS Terracotta Selection」(6速MT:379万8300円/6速AT:382万5800円)

子供から手が離れて「久しぶりにスポーツカーに乗りたい」と考えている方には、「S レザーパッケージ」(6速MT:319万1100円/6速AT:330万6600円)か「RS」(6速MT:335万6100円)、そして2リッターエンジンを搭載するハードトップの「ロードスターRF」シリーズ(VS:375万7600円~)をおすすめしたい。

新型ロードスターRF 特別仕様車「VS Terracotta Selection」の内装は新設定された上質なテラコッタカラーのナッパレザーを装備する

S スペシャルパッケージはシートがファブリック。レザーパッケージ以上なら内装の高級感も感じられ、所有する満足度もさらに高くなる。またS スペシャルパッケージではオプションだったシートヒーターも、レザーパッケージ以上なら標準装備になるのも嬉しい。

オープンカーは、シートヒーターがあると格段にドライブの質が変わってくる。特に子育てから手も離れ、酸いも甘いも噛み分けた大人の方には、必須とも言える装備になるはずだ。

日常的に運転する回数が多く、よりゆったりとドライブを楽しみたい人ならS レザーパッケージや、ロードスターRFシリーズが良く似合う。

走りの質に深くこだわりたい層には「RS」もオススメだ

ドイツ・RECARO社製スポーツシートにもシートヒーターが備わる, ビルシュタイン社製サスペンションも標準装備されるRS
ドイツ・RECARO社製スポーツシートにもシートヒーターが備わる, ビルシュタイン社製サスペンションも標準装備されるRS

いっぽう、昔からスポーツカーが大好きで、日常の快適性よりスポーティな感覚をいつも味わっていたいという人には、ビルシュタイン社製ダンパーやフロントサスタワーバー、RECARO(レカロ)社製スポーツシートなど、海外の一流ブランドをはじめとする機能強化パーツを揃えたRSがぴったり合うはずだ。

魅力的なグレードがたくさんあって、購入時にものすごく迷うロードスター。今回の商品改良で、より自分の意志に応えてくれるモデルになっているからこそ、背伸びしすぎず、素直に自分にしっくりくるモデルを選ぶことが、“ロードスター生活”のより良い幸せにつながるだろう。

[筆者:伊藤 梓(自動車ライター)/撮影:和田 清志・Mazda]

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