美容と障害福祉連携 延岡にB型事業所開業

就労継続支援B型事業所「優しさと笑顔あふれるサロン Gift」でゴムひものないマスク作りをする利用者ら=延岡市(同事業所提供)

 延岡市と高千穂町で美容室「パルアンドペア」を経営する金子隆二さん(50)は今月、美容と福祉の連携で障害者の社会参加を進めたいと、就労継続支援B型事業所「優しさと笑顔あふれるサロン Gift」を同市出北6丁目にオープンした。Giftは「才能」の意味。施設長を務める金子さんは「障害のある人たちは一人一人才能を秘めている。出張美容のアシスタントなどの仕事を通じ、その可能性を広げる手伝いをしたい」と話している。
 金子さんは県美容業生活衛生同業組合の理事で、同組合発で全国10都県の美容室で使われているゴムひものないマスクの考案者。その製作を県内の福祉サービス事業所に委託し障害福祉との接点ができたことから「せっかく生まれた連携の形を発展させ、地域に笑顔を広げる活動ができたら」と構想を温めてきた。
 出張美容は理美容室に足を運ぶことができない高齢者や妊婦などが対象。福祉美容師とともに事業所の利用者が自宅や施設に出向き、移動式シャンプーの設営・片付け、カットした髪の掃除などを担う。
 事業所ではゴムひものないマスクと、アクセサリーの製作・販売、使い捨てることが多いパーマ用ペーパーのリサイクル作業などに当たる。定員20人に対しスタート時の利用者は5人。
 金子さんは「美容と障害福祉の連携はおそらく全国でもほとんど例がない試み。障害者が積極的に地域に出て行き、多くの人と知り合い、コミュニケーションを深めることができる環境を築いていきたい」と夢を描く。事業所の開所時間は平日午前9時半~午後3時。問い合わせは出張美容が(電話)0982(23)9660、Giftが(電話)0982(20)6740。

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