カトリック長崎、浦上教会で着座式 中村新大司教「人々に奉仕」 

着座式で授与されたバクルスを手にする中村氏=長崎市、カトリック浦上教会(カトリック長崎大司教区提供)

 カトリック長崎大司教区の新しい大司教に任命された中村倫明(みちあき)氏(59)の着座式が23日、長崎市本尾町のカトリック浦上教会であり、信者らが祝福した。定年により引退した髙見三明氏(75)は名誉大司教となった。長崎大司教の交代は約18年ぶり。
 駐日教皇庁大使のレオ・ボッカルディ大司教が任命書を読み上げ、中村氏は髙見氏からバクルス(つえ)を授与された。中村氏は「皆さまと共に、神様に仕え、人々に奉仕するため歩んでいきたい」と決意を述べた。
 新型コロナウイルス感染拡大防止のため参列者を約300人に限定し、動画でライブ配信した。
 教皇フランシスコは2021年12月、髙見氏の退任願を受理し、中村氏を任命した。中村氏は西海市出身。19年5月に補佐司教に任命され、同9月に司教になった。長崎大司教区は国内に16あるカトリック教区の一つで、信者数約5万9千人(20年12月時点)。
 一方、髙見氏の在任中、男性神父による教区資金の無断流用が発覚。女性信徒が別の男性神父から性被害を受け、大司教区の事後対応で心的外傷後ストレス障害(PTSD)が悪化したとして損害賠償を求めた訴訟では、長崎地裁が大司教区に賠償を命じた。
 髙見氏は着座式のあいさつで「私の力が及ばなかったために大変ご心配をおかけしたことをおわびする。新しい大司教を支え、体制を立て直してほしい」と述べた。


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