障害児の放課後支援 改善へ「制度改革を」

 学齢期の障害児が授業終了後や学校休業日に利用する「放課後等デイサービス」の課題を検討するシンポジウムが27日、横浜市中区の関内ホールで開かれた。研究者、保護者、事業者、福祉関係者が、財源、事業者の質、不適切な利用などの問題を指摘。地域に根差した優れた事業者を残し発展させるため、制度改革の必要性を訴えた。市の主催で約330人が参加した。

 2012年度にスタートした同サービスは、14年度には利用件数、予算が約2倍となり、現在もさらに拡大し続けている。障害児の地域の居場所を広げ、家族を支えることに貢献している一方、事業者の大量参入と安易な利用による問題も表面化。利用方法によっては、障害児を18歳まで地域から分離することになるとの懸念も生じている。

 シンポで上智大学総合人間科学部の大塚晃教授は「財政的に限界。持続可能性がない。不適切な利用は保護者によるネグレクト、虐待に当たる可能性さえある。新しい仕組みを考える時だ」と指摘。横浜障害児を守る連絡協議会の森佳代子副会長は「家で過ごせない子ども、子育てに立ち向かえない親をつくる懸念もある。歯止めをかける助言者、コーディネーターが必要」と警鐘を鳴らした。

 また、サービス利用の前提となる計画相談、障害児支援利用計画の作成が進んでいないことが問題を生む一因だとし、地域活動ホーム「ガッツ・びーと西」の渡辺幹夫所長は「横浜では療育センターが計画相談の旗頭になるべき」と主張した。

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