木村文乃 孤独を抱えた女性演じる 手話にも初挑戦 矢野顕子の楽曲モチーフ 「LOVE LIFE」公開決定

深田晃司監督の最新映画「LOVE LIFE」が、2022年秋に全国公開されることが決まった。矢野顕子の同名楽曲をモチーフに、木村文乃が孤独を抱えた女性役で主演する。

「LOVE LIFE」は、愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずだったが、ある日突然悲しい出来事が降りかかる妙子を主人公とした作品。明らかになる本当の気持ち、そして彼女が選ぶ人生を描く。本作について木村は「余計についてしまったものを全部そぎ落として、これまでとは違う道へひたむきに進みたいと思った時に『LOVE LIFE』とのご縁を頂きました」と、特別な思いを寄せている。

物語の着想のきっかけとなったのは、ミュージシャン・矢野顕子の同名楽曲「LOVE LIFE」。1991年に矢野がニューヨーク移住後に発表した初のアルバム「LOVE LIFE」に収録された楽曲で、静かで安らかなピアノの音と透き通った歌声で、「ひとつとして、同じ形をした愛は無い」ことを歌っている。

楽曲「LOVE LIFE」を、「愛」と「人生」に向き合う一組の夫婦の物語として完成させたのは、深田晃司監督。2020年7月にフランスで公開された「よこがお」が、コロナ禍にもかかわらず800館での上映にまで拡大するなど、世界照準の作品を作り続けてきた深田監督が、構想期間20年をへて完成させた。深田監督は、「しぶとく企画を持ち歩き続けていたら、多くの仲間の力を得てこうして映画化することができました。自分は幸せ者です」と、本作への思いを語っている。

公開された特報映像では、矢野顕子の美しい歌声から始まり、幸せそうな毎日を送る妙子に訪れる不穏な鐘の音、駆け出す妙子、雨にぬれた妙子にかぶさる「私、一度彼を見捨てているの」の言葉が収められ、謎の残る映像となっている。

【コメント】

■深田晃司監督
矢野顕子さんの「LOVE LIFE」を初めて聴いたのは二十歳の頃でした。「なんて美しい歌、美しい歌詞なのだろう」と心震える思いで、矢野顕子さんの多くの歌がそうであるように、言葉のひとつひとつが重層的な意味を持ち様々な解釈を許してくれました。「LOVE LIFE」を何度も聴くうちに、自然と一本のシナリオが思い浮かびました。ある夫婦の話でした。そして、どうしたらその物語とともに最高のかたちで「LOVE LIFE」を映画館に響かせられるかばかりを考えるようになりました。それから20年が経ちました。しぶとく企画を持ち歩き続けていたら、多くの仲間の力を得てこうして映画化することができました。自分は幸せ者です。
主演の妙子を演じてくれた木村文乃さんとは初めてのお仕事でしたが、決して簡単ではない役をリハーサルから一緒に作り上げることができたのは私にとっても大切な時間となりました。一本芯の通った木村さんの強さをこの作品で皆さんにも感じ取って頂けるのではないかと思います。早くスクリーンにお届けしたくて仕方がありません。どうぞお楽しみに。

■矢野顕子
ひとつとして、同じ形をした愛は無い。
そのことを丁寧にうつし取って映像にして見せてくれる、それが『LOVE LIFE』です。
音楽の”LOVE LIFE ”にこんな大きな風景を見せてくださって、ありがとうございました。

■木村文乃 コメント
余計についてしまったものを全部そぎ落として、
これまでとは違う道へひたむきに進みたいと思った時に
『LOVE LIFE』とのご縁を頂きました。

深田監督の人柄を知れば知るほど、
安心して身を委ねて、監督が作られた本の中にある
大沢妙子という、ひとりの人を
精一杯生きてみようと思いました。

深田晃司監督作品をこれまでご覧になっている方々にとっても
私のことを応援してくださっている方々にとっても
とても新しい一面が見える作品になると思います。
本作を通して、自分なりの「LOVE LIFE」という言葉の意味を、
見つけて頂ければと思います。

【作品情報】
LOVE LIFE
2022年秋 全国ロードショー
配給:エレファントハウス
©2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS

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