「手投げ」はなぜダメ? “理想的な投げ方”を身に付けるためのチェックポイントは

オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】

怪我のリスクと球の弱さ、「手投げ」はデメリット尽くし

野球をやっていると必ずと言っていいほど「手投げはダメ」と言われるのは何故だろう? そんな疑問を抱く野球少年少女のために、First-Pitch編集部が様々な取材を通して知ることができた「手投げはダメ」と言われる理由を紹介していきます。

【写真6枚】ソフトバンク・千賀、オリックス・宮城ら一流投手から見る 「肩から肘のライン」が揃っている“理想的な投げ方”

まず「手投げ」と呼ばれる投げ方は、腕のパワーだけでボールを投げようとする投げ方のことを言います。通常、投げる動作は全身の動きを連動させて行うものですが、「手投げ」で使われるのは腕力のみ。この投げ方を続けていれば、肩や肘ばかりに負担がかかり、故障のリスクを高めてしまうことは容易に想像できます。

ここで、多くの指導者が口を揃えて言う「下半身を使って投げろ」の意味が分かってきます。下半身のパワーも使った投げ方で全身運動を行えば、腕にかかる負担が軽減されるため、肩・肘の怪我のリスク低減につながります。さらに、腕力のみよりも体全体を使った方が出力は大きくなるので、「手投げ」では不可能な強いボール・速いボールを投げることが可能になります。

野球において「手投げ」はデメリットしかなく、プレーに適した投げ方ではないことがよく分かります。

チェックポイントは「肩の入れ替え」、「肩から肘までのライン」

プロ野球の元指導者の中に、投球は「肩の入れ替え運動」でおこなうと言う方がいました。投げ終わった後、結果的に肩が入れ替わったような形になるということですが、手投げであればもちろんこの形はできません。

また、肩のラインと投げる側の肘までが一直線に揃ってリリースができているかどうかも「手投げ」にならないための重要なチェックポイントです。腕力だけに頼ると、腕を振り回しがちになるので、この「肩から肘のライン」を逸脱することが多いようです。

これらのことを踏まえて、普段のキャッチボールやピッチング練習をする際には、「肩の入れ替え」ができているかと「肩から肘までのライン」が揃っているかを確認する必要がありそうです。

正しい投げ方を身に付けて、投げる技術の向上と故障リスク低減に努めていきましょう。

【写真6枚】ソフトバンク・千賀、オリックス・宮城ら一流投手から見る 「肩から肘のライン」が揃っている“理想的な投げ方”

  • オリックス・山本由伸【写真:荒川祐史】
  • ソフトバンク・千賀滉大【写真:荒川祐史】
  • オリックス・宮城大弥【写真:荒川祐史】
  • エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
  • 広島・栗林良吏【写真:荒川祐史】
  • 西武・高橋光成【写真:荒川祐史】

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(Full-Count編集部)

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