【新型コロナ】「現場は混乱、通知撤回を」 保育所団体が神奈川県に要請 感染者確認でも開所継続で

県に要請後、取材に応じる県内の保育所関係者=24日午前、県庁

 新型コロナウイルス感染症を巡り、保育所内で感染者が確認された場合も原則として開所を継続するよう求める神奈川県の通知について、保育所の運営者らでつくる団体が24日、県に通知の撤回を求めた。「保育現場は混乱している」と訴えている。

 要請したのは、県内約50施設の運営者らが加盟する県民間保育園経営研究会と、県保育問題協議会。

 通知は今月18日に県が市町村に発出。県が保健所業務を所管する26市町村内の保育所などでは、感染者が確認された場合も原則として休園せず、開所を継続するよう求めている。濃厚接触者の特定も原則行わないという。

 団体側は通知撤回のほか、保育所職員への定期的なPCR検査の実施や保育所を利用する家庭への抗原検査キットの再配布などを県に求めた。

 鎌倉市内で保育園を運営する横田博行さんは要請後に取材に応じ、「濃厚接触者も調べず、県はどうやって感染を止めようとしているのか。保育者は守るべき対象と考えられていない」と批判。同市内で別の保育園を運営する橋本志津恵さんも「子どもは重症化リスクは低いと言われるが感染は広がってしまう。せめて安心して働けるように検査態勢を整えてほしい」と話した。

 県次世代育成課は「通知は撤回しないが、丁寧に説明をしていきたい」としている。

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