韓国俳優イ・ジュンギが日本のファンを大切にする理由とは?

「悪の花」プロモーションでのインタビュー(2021年)Photo by Kim Daun(STUDIO DAUN)

主演最新作の韓国ドラマ「悪の花」の演技で俳優人生の集大成とも評価されたイ・ジュンギ。彼は、自分の言葉を、自分の考えを持つ俳優だ。どんな作品でも、どんな状況でも、どんな質問でも、明確な自分の考えをもとに言葉を発してくる。インタビューでも、ファンミーティングのようなファンとの交流の場でも、ハッとさせられるような言葉を残し、さらに彼を知りたくなるような魔法をかけていく。これまでのジュンギが発した言葉で、印象的だったもの、イ・ジュンギそのものを表したような言葉を振り返ってみた。


ファンからの愛が原動力。「僕も皆さんが必要です」

■日本のファンのこと

「日本映画『ホテル ビーナス』でデビューした僕にとって、最初に出会ったファンが、日本のファンで、一番長い間、僕をサポートしてくださっている方々なんです。なので、日本のファンの皆さんを一言で表現すると、“守護天使”のような存在です」

(2014年「朝鮮ガンマン」でのインタビュー)

■場を盛り上げる天才

「(ジャスティン・ビーバーの「as long as you love me」を歌う際に)曲がわからないから乗れないということはありません。僕たち、こうしましょう。手は叩くかどうか迷うのではなく、合わせるんです。拍手だけだとクラシックのコンサートになってしまうので、一緒に歓声もあげましょう。ほら、こんなに雰囲気が変わりましたね!」

(2018年、「ASIA TOUR DRIGHT in Japan」より)

■ファンへのプレゼント

_「俳優イ・ジュンギの人生のキーワードは……これまでは“情熱”と答えていましたが、いまは“愛”だと思うようになりました。がむしゃらに突っ走ってきたなかで、つらいこともあり、そういうときはいつも、僕のファンを探し、皆さんも僕を思ってくれた。互いを必要としていることを、前回のツアーを終えたときにしみじみ感じ、“ファンの愛中毒”になったほどです。

皆さんの愛は大きな原動力になっていて、だからこそ僕自身も皆さんに癒しを与え、大きな存在になりたい。そして、皆さんに一番さしあげたいプレゼントが、“作品”です」_

(2019年、ファンミーティング「SPLENDER Family DAY“ I have a present for you”より)

――イ・ジュンギのファンミーティングは、フツーじゃない。最高のエンターテイメントショーであり、ファンとジュンギが一体化する特別な時間で、一度観たら病みつきになること必至。これは、字面だけではなく、ぜひ生で体験してもらいたいものだ。

■ヒーローとは

「たとえば、誰かの癒やしになるのも、ヒーローだと思うんです。ファンの方から“あなたの作品を通して、痛みが癒やされ、慰められた”という言葉を聞くたび、僕も誰かのヒーローになっているんだなと思えて、俳優という職業に対して、より真摯な気持ちになるんです」

(2014年「朝鮮ガンマン」でのインタビュー)

――イ・ジュンギのすべてが詰まったような、深く、温かく、このうえなく真摯な言葉。

懐かしい時代の言葉もあるが、今とほとんどブレていないのではないだろうか。 この先、どんな言葉で私たちを魅了してくれるのか。次の作品を語るジュンギも楽しみである!


TEXT:高橋尚子(編集・ライター)

Edited:野田智代(編集者、「韓流自分史」代表)

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