新雪増え危険高まる 雪崩や地滑り 関係機関が警戒

 上越地域では21日から23日にかけて降った雪で表層の新雪が増え、雪崩・地滑りの危険が増していることから、関係機関は注意を呼び掛けている。

 土木研究所雪崩・地すべり研究センター(妙高市)によると、25日時点でセンター内の積雪は246センチ。断面を観測した結果、21日から23日にかけて降ったとみられる雪は90センチあった。

 新雪の下にはざらめ状の積雪があり、斜面などで新雪が古い積雪の上から滑り落ちる表層雪崩の危険がある。さらに気温の上昇などで融雪が進んだ場合、雪解け水が地中にしみ込み、地滑りなどの土砂災害の原因となる。10年前の2012年3月に板倉区で、昨年3月に糸魚川市来海沢で発生した地滑りは、融雪によるものとされる。同センターの判田乾一所長は「数日で多量の雪が降り、危険がない所はない」と話す。

雪を掘って断面を作り、新雪の量を確認する作業(雪崩・地すべり研究センター)

 また、同センターで25日に観測した雪1立方メートル当たりの密度は351キロ。屋根からの落雪などが頭上に落ちれば相当の荷重がかかり、生命に関わる恐れもあるため、雪庇(せっぴ)の除去や注意が必要だ。

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