新型コロナウイルス感染の「第6波」で、県内でも多くの人たちが自宅療養を強いられている。ラジオパーソナリティーなどを務める栃木県下野市出身・在住のタレント永井塁(ながいるい)さん(34)も体験した一人。自身と妻が感染し、2月10日の復帰まで3歳の長男と共に自宅で過ごした。長男は陰性だったため、常に家庭内感染のリスクと隣り合わせだった。永井さんは26日までに下野新聞社の取材に応じ、「幼い子どもと一緒に生活しながら感染を防ぐのは難しい」と振り返った。
永井さんが「感染したかも」と感じたのは1月29日。「風邪っぽいなと思った」。翌30日に38度を超える熱が出たが、数時間ほどで平熱となった。31日にPCR検査と抗原検査を行い、陽性と診断された。症状がない長男は2月1日にPCR検査を行い、結果は陰性。熱があった妻は、検査なしで医師が判断する「みなし陽性」と診断された。
家庭内で陰性と陽性に分かれたが、近くに預けられる先はなく、かかりつけ医と相談して一緒に生活することを決めた。長男と生活する上で気を付けたのは、マスクを外す場面。例えば、食事は大人とはできるだけ別々にし、風呂は換気に注意した。
遊ぶ時は、できるだけ対面にならないように二人羽織の形で後ろから抱きしめて、手元で一緒に楽しんだ。「このぐらいしかできない」と感じたという。ただ、幸いにも長男に感染の症状は出なかった。
永井さんは自宅療養が始まってから2日ほどたって「味覚に症状が出始めた」。魚のフライが入ったハンバーガーを食べても「うま味を感じなかった」。
だが味を全く感じないというわけではないため、食欲は落ちなかった。むしろ「今日こそはおいしく食べられるかも、と食事の量が増えてしまった」。運動不足も相まって「復帰した後、本当に体力が戻るのか。元に戻れるのか」と不安だった。
一方で、周囲とのつながりやコミュニケーションの大切さを改めて感じた。
ある日、自宅前に知人から飲食物や本が届き、「本当にありがたかった」。日頃から、親戚や友人と助け合うことで「こういったコロナの場合だけでなく災害など非常事態の時にも、食料を届け合ったり、子どもや同居人を預かってもらったりすることができるような関係を築いておくことが大切だと感じた」と語った。