洗車の際、仕上げ時に拭き残しを極力減らして、ボディ表面の水を排除するのが大きなポイント。ボディの水分を拭き取る洗車グッズとしては、プラセームやマイクロファイバークロスが一般的だが、それらを凌駕する便利アイテム、水切りワイパーを紹介する。
セルフメンテは洗車だけの時代に突入!?
先日会話をしたカーディーラーマンから「今の車は自分でメンテナンスできる部分は無いと言えます。何か触るとコンピュータがエラーを出すこともあるので触らないでほしいと考えているほどです。自分でできることは洗車くらいですよ」と言われたことがあった。EV化が進んでゆくと、さらにセルフメンテナンスは難しくなるだろう。
洗車を快適に楽しむとっておきアイテム
できるメンテナンスはなるべく自分の手でやりたいと考えていることもあり少々悲しい気持ちにもなるのだが、許された洗車だけでも気分良く楽しみたいもの。そこで今回は愛用しているおすすめ洗車グッズ「水切りワイパー」を紹介する。
完全に水を排除した仕上げが目標
いくらきれいに車体を洗ったところで、水が残っていたら仕上がりが悪いうえに、イオンデポジット(水滴に含まれる不純物が乾いて残ったもの)やウォータースポット(イオンデポジットが塗装面まで浸食した状態、または水滴を介して陽ざしが塗装を焼く現象)ができる原因にもなりうる。
しかし実際に洗車をしてみると意外なほど、完璧に拭き上げるのは難しいことだと分かるだろう。最近ではマイクロファイバークロスが広く知れ渡り、洗車にも使われる場面を多く見られるようになったが、カーディテイリングのプロフェッショナルによれば、量販店などで売られているものの多くは一部を除き高い性能は見込めないとの話を聞いたことがある。
そのような中、洗車時車体の水を排除するために昔から愛用しているものが水切りワイパーだ。ゴム製のブレードをガラスやボディに押し当てて水を切るものなのだが、驚くほど一気に水を排除することができるのである。
三種類のアイテムを比較テスト
今回はプラセーム(吸水に優れた人工セーム革の呼称で「プラスセーヌ」が代表格。プラスセームやプレミアムセームなどとも呼ばれる)、マイクロファイバークロス(極細糸で編み吸水性を向上させた合成繊維)、水切りワイパーの3種でどれが効率的に水を排除することができるかのテストを行ってみた。
プラセームはしっかりと絞り、大きく広げて使うことで、かなり水を吸収するが、拭き残しがみられた。
マイクロファイバークロスは乾燥時の吸水性能には目を見張るものがあるが、水を含んだあとは拭き上げ性能が劣ってしまう。その両者を抑え断トツの水分排除能力を誇ったのが水切りワイパーだ。
作業効率を考えて適材適所を探る
水を「吸収」するのではなく「切り落とす」ということが大きな違いなのだ。絞る作業もないため作業効率がよくスピーディに車の水を取り去ることができる。とはいえ、ブレードの入らない隅の部分には多少の水が残るので、プラセームやマイクロファイバークロスを上手く併用して完璧な水分排除を目指したい。
【筆者:小松 男/撮影:小松 男】