なべやかん遺産|「ジム・キャリー」 芸人にして、日本屈指のコレクターでもある、なべやかん。 そのマニアックなコレクションを紹介する月刊『Hanada』の好評連載「なべやかん遺産」がますますパワーアップして「Hanadaプラス」にお引越し! 今回は「ジム・キャリー」!

もっとテンポアップして製作を

アメコミ映画が大好きだ。映画『アイアンマン』(2008)から始まったマーベル・シネマティック・ユニバースはどの作品も毎回楽しみにしている。映画『マン・オブ・スティール』(2013)から始まったDCコミックのDCエクステンデッド・ユニバースも楽しみで仕方がない。

そんなマーベルやDCの映画も先に進まない作品もある。スパイダーマンはサム・ライミ監督作品の後、マーク・ウェブ監督作品でリブートされ、マーベル・スタジオとライセンス契約された後にようやく先に進めた感じがある。

最新作『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』では、トビー・マグワイアとアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンも登場し大興奮。トム・ホランドのスパイダーマンが各スパイダーマンに番号を付けるシーンではアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンを3番にした。

それを聞き喜ぶアンドリュー・ガーフィールド。その理由は、トビー・マグワイアとトム・ホランドのスパイダーマンには3作品目があるのに対しアンドリュー・ガーフィールドのスパイダーマンは2作品で終わっている。なので“3”と言われ喜んだのだ。

一方DCだが『ジャスティス・リーグ』(2017)で先に進んだ感じがしたが『ジョーカー』(2019)や『THE BATMAN―ザ・バットマン―』(2022)が公開されるのでDCエクステンデッド・ユニバースとは違うベクトルで進んでいるので、またリブートって感じがしてしまう。

だからといって「見ない」なんて事は言わない。毎度毎度楽しみで仕方がない。

ただDCエクステンデッド・ユニバースもテンポアップして作って行かないと、役者達がどんどん年をとってしまう。ハリウッドスターは年を取るのが早いからね。

大大大好きなガル・ガドットのワンダーウーマンもマーゴット・ロビーのハーレイ・クインも役者を代えるかCGで小皺を消しまくるしかないなんて嫌だから。

ライフマスクのポイント

今回もリブートされるバットマンだが、やっぱり初期のティム・バートン監督作品(1989)から始まった4作品が好きだ。という事で、今回は敵役リドラーを演じたジム・キャリー関連コレクションをご紹介。

ジム・キャリーはスタンダップコメディアンなので話術に長け、顔芸も得意だ。

『バットマン フォーエヴァー』(1995)でリドラーを演じた時もその特技が遺憾なく発揮されトゥーフェイス役のトミー・リー・ジョーンズを完全に食ってしまった。

リドラーのアイマスクをハリウッドオークションで購入したのだが、手元に来て新たな発見があった。緑のアイマスクを目元に張り付けているだけかと思ったら、オデコと目の上に特殊メイクをした後に緑のアイマスクをしていたのだ。

ジム・キャリーのライフマスク。良いライフマスクだ。
リドラー特殊メイク三点セット。撮影当時オリジナルの型から抜かれた物。
緑のアイマスクだけをライフマスクに乗せるとこんな感じ。

映画の画像を良く見るとオデコの特殊マイクはわかるがアイマスクの下までは気が付かなかった。以前手に入れたジム・キャリーのライフマスクにそれらを乗っけるとピタッとハマる。ただ各ピースをちゃんと切り取り糊で止めないと映画の時の顔にはならない。

映画撮影時は三点セットで特殊メイクされる。

ライフマスクの事をデスマスクと呼ぶ人がいるが、これは間違え。生きている人の顔型を取るのがライフマスク。特殊メイクをする時にライフマスクは必須だ。

それに対し死んだ人の顔を型取りするのがデスマスクだ。

ライフマスクには良い物、悪い物があり、歪みが無く顔の皺や毛穴がクッキリ残っているのが良い物である。複製を繰り返すと縮みや皺&毛穴の凹凸が緩くなり特殊メイク用には使えない。

リドラーをやる前『マスク』(1994)に主演しジム・キャリーはハリウッド映画においてトップスターの一員になった。『マスク』では冴えない男を演じ、その男が仮面を付けると怪人(?)マスクに変わる。変った後のキチ○イぶりは見事である。

摩訶不思議な緑のマスクのレプリカがうちのコレクションにある。仮面は表面部分だけでなく裏側のもモールドがあるので手の込んだ造形物だ。

映画『マスク』の緑の仮面。ジム・キャリー、緑色が好きだな。
仮面の裏側。裏もモールドも良い感じ。

コメディアン達の『エクスペンダブルズ』を!

最近、日本で公開される映画にジム・キャリーが活躍する作品が少ない。

ここ最近では『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』(2013)でスターズ・アンド・ストライプス大佐を演じていたが、ジム・キャリーが演じている事に気が付くのに少し時間がかかってしまった。

我々をワクワクさせたアメリカのアクションスター達を集めた映画『エクスペンダブルズ』のように、我々を楽しませてくれたコメディアン達が出演するコメディアン版の『エクスペンダブルズ』が観たい。

ジム・キャリー、エディ・マーフィ、ダン・エイクロイド、マイク・マイヤーズ、スティーヴ・マーティン、クリス・タッカー、等々。彼らが集まってアドリブ合戦をしているような作品を作ってくれないかな?

“混ぜると危険”になって彼等の個性がぶつかり合って駄作になるかもしれないが、そんな夢の作品が観てみたい。楽しませてくれた映画スター、キャラクター、そしてプロップ。彼等全てを愛してるよ。

なべやかん

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