マクラーレンF1のブラウン、積極的なインフラへの投資も「トップチームで争うにはまだ数年が必要」

 マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンは、財政の健全化によりチームが上昇傾向にあると強調した上で、チャンピオンシップ最上位を争うにはまだ数年の時間を要するという見解を示した。

 2010年代から続いていた成績不振から脱却し、トップチームへの回帰を目指す途上にあるマクラーレン。2021年シーズンはコンストラクターズ選手権で前年の3位から4位へと転落したものの、第14戦イタリアGPではダニエル・リカルドの手によってチームに2012年以来の勝利がもたらされた。

 F1公式サイトに公開された動画で、チームのCEOであるザク・ブラウンは「必要なリソースはすべて揃っている」と新車発表会後に語り、現在の体制に満足していることを明かした。

「すべての設備投資プロジェクトは順調に進んでいるし、安くはないふたりの素晴らしいドライバーもいる。私とアンドレアス(・ザイドル代表)、そして首脳陣の全員が長期的な契約を結んでいる」

 さらに『GP Fans』によれば、ブラウンは、昨年米国の投資家グループ『MSPスポーツキャピタル』に株式を売却し、資金を受け入れたことが体制の安定化につながったとメディアに対して語った。

「昨年、MSPスポーツを迎え入れたが、彼らは素晴らしい株主だ」

「彼らは、我々がチャンピオンシップを争うために必要なプランを実行するリソースを与えてくれた」

 資金難から脱却したマクラーレンは現在、積極的なインフラへの投資に取り組んでいる。老朽化したシミュレーターの刷新や、これまで持っていなかった自社風洞の建設がその例だ。

 とはいえ、この恩恵がマクラーレンにもたらされるにはまだ時間が必要となる。風洞の完成は今年末を予定しており、これを活用したニューマシンが登場するのは2024年を待たなければならない。

 そのためブラウン自身も、チームがトップで争うためには「数年の時間」が必要だと認め、今後の成長に期待を寄せた。

「私達にはまだ数年が必要だ。求める全てのものを手にするためには、風洞など必要なものを稼働させなければいけない」

「必要なものはすべて揃っているか注文済みで、いまはまだ途上にある。最終的に我々を前線に戻してくれるのはチームのみんなだと思うので、非常に楽しみだよ」

© 株式会社三栄