複数女性にセクハラ繰り返す「10年以上前から被害」 小田原市職員を停職処分

小田原市役所

 通りすがりに下半身を触るなど、複数の女性職員らにセクハラ行為を日常的に繰り返したとして、小田原市教育委員会は28日、教育部の男性職員(60)を停職2カ月の懲戒処分にした。一部の女性は「10年以上前からセクハラを受けていた」と説明しているが、被害の訴えを受けた職場の上司が報告を怠って発覚が遅れた。市教委は「不適切な対応だった」と謝罪した。

 市教委によると、同じ職場内の3人の女性に対し、勤務時間中に職場で抱きついたり、下半身や胸を触るなどの行為を繰り返していた。昨年1月に被害女性が職場の係長に相談。しかし、係長は課長への報告をせず、男性職員へ口頭注意しただけだった。半年後に、別の女性の胸を触っているのを複数の職員が目撃したことから発覚した。

 男性職員は市教委の指導で被害女性に文書で謝罪。男性職員は「励ますつもりでボディータッチをして(自分は)面倒見がいいと思っていた」と話しているという。被害報告の遅れについて市教委は「明確なルールはないが、一般的な職務として上司に報告すべき事案だった」と説明した。

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