【ご当地パン@鳥取】2022年3月に幕を下ろす伯雲軒「ブドーパン」を実食レポ

「ご当地パン」の世界も時代とともに状況は変化するもの。鳥取県境港市で世代を超えて愛されている「ブドーパン」が、製造・販売元「伯雲軒」の閉業により、2022年3月に終売するという悲報が舞い込みました。東京では「とっとり・おかやま新橋館」に入荷するブドーパンの味を、寂しさもありますが感謝も込めてレポートします!

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明治30年創業「伯雲軒」

鳥取県「伯雲軒」のご当地パン「ブドーパン」。

『ゲゲゲの鬼太郎』の作者・水木しげる先生の故郷でもある鳥取県境港市にある「伯雲軒」は、1897年(明治30年)に菓子製造業から開業。アメリカで食パンの製パン技術を学んだ後、戦後の配給パンから製パン業となり、地域の人に長年愛されてきたパン製造・販売のメーカーです。

この度、2022年3月25日に閉業するというニュースが発表され、地元の人に衝撃を与えているようです……。

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理想的配合「ブドーパン」を実食

こちらが、60年以上も受け継がれてきた「ブドーパン」(196円・税込)。パッケージの書体とぶどうの房のイラストがレトロでかわいらしい。

水木先生や小説家の京極夏彦先生もお気に入りのパンとのこと。昭和39年(1964年)に厚生大臣賞も受賞し、リピーターも多い地元の自慢のパンなのです!

12時間以上発酵した酵母を使ってできたパン肌はすべすべ!

防腐剤などを使用せず、昔ながらの素材にこだわったパン。ふっくらしていますが噛みごたえもあり、素朴でシンプルで懐かしさある味わい。中にはブドー(干しぶどう)を散りばめて、自家製ラム酒入りバタークリームを挟んでいます。

ブドーは皮がシャキッとぷっくりジューシー! ブドーの濃厚フルーティーな味わいを、なめらかに包み込むバタークリームのラム酒は酔うほどではなく香る程度。噛むごとにほんのりシナモンも香って、甘くて大人風なデザートパンです。

レーズンがギッチリ詰まったタイプではなく、多すぎず少なすぎず、バタークリームとの配分が理想的! 濃厚な味のブドーを一粒ずつしっかり感じながら、クリーミーで食べやすいブドーパン!

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東京のアンテナショップでゲット

現地や通販で購入できますが、東京では「とっとり・おかやま新橋館」にて、毎週水曜日と土曜日の午後(13時30分頃〜)に入荷しています。交通状況にもよりますが、筆者が訪問した14時すぎには店頭に並んでいました!

干しぶどうとクリームが一緒になった、筆者の理想的な「ブドーパン」の終売は悲しいですが、代々受け継いでくださった「伯雲軒」と、最後の出会いに感謝……。昭和の生んだレトロパンを噛み締めて、味わい尽くしてみてください!

伯雲軒

住所:鳥取県境港市末広町70

電話:0859-44-0565

公式サイト:http://hakuunken.com/index.php?FrontPage

(購入店舗)

とっとり・おかやま新橋館

住所:東京都港区新橋1-11-7 新橋センタープレイス1・2階

電話:03-6280-6474(1階ショップ)

営業時間:10:00〜21:00

定休日なし(12月31日~1月3日を除く)

交通:東京メトロ銀座線「新橋駅」3番出口からすぐ

公式サイト:https://www.torioka.com/

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